- 子供のお金の教育、金融教育を考えている
- 子供のお金の教育に対する取り組みが知りたい
- 幼児から始められる、家庭内起業が知りたい
こんにちは、ももたまです。
子育てをしていると、子供にどんな教育をさせてあげたら良いのか?悩みますよね。
今回はその中でお金の教育、金融教育について考えてみましょう。
私達は当時5歳(年長)の子供と一緒に、家庭内起業に取り組み、子供珈琲店を始めました。
2019年5月に始めた取り組みは現在でも続いていて、とても良い効果があったと実感しています。
そこで今回は、私達の家庭内起業のキッカケ、実際の取り組み、その後の状況についてまとめました。
子供の年齢、家族の生活に合わせたアレンジができることも家庭内起業の魅力です。
私達の実例を参考に、オリジナルの家庭内起業を始めてみませんか?
まずは、私達が家庭内起業を考えるキッカケとなった、佐藤ねじさんのツイートを紹介します。
目次
キッカケは佐藤ねじさんの家庭内起業のツイート
私達は以前から、子供が取り組めるお金に関することを探していました。

ですが、イベントのような一時的なものではなく、普段の生活の中で取り組めることを考えていました。
そんな時に、佐藤ねじさんの小学1年生の息子さんが始めた家庭内起業のツイートを見つけました。
小1息子が、おこづかい以外にお金を増やしてポケカを買うために、900円借金して、コーヒー屋を家庭内起業。「小1起業家」の話をnoteにまとめました。https://t.co/SVf43afoJL
— 佐藤ねじ🌲ブルーパドル (@sato_nezi) May 6, 2019
当時、上の子は5歳(年長)でしたが、子供珈琲店を幼児向けにアレンジして始めてみました。
最初はお金に少しでも興味を持ってくれたら、と考えていましたが
- 勉強をする意味を考える
- 物の値段と価値を感じる
- 稼ぐという意味を体感する
と、私達が想像していた以上に、良い影響を子供に与えることができました。
そんな私達オリジナルの5歳児版の子供珈琲店について、始める前の取り組みから順に見ていきましょう。
5歳児版の子供珈琲店を始めるまでの4つの取り組み

佐藤ねじさんの子供は当時小学校1年生で、珈琲もドリップと本格的な珈琲屋さんでした。
ただ、5歳の幼児にはドリップは難しく、私達も珈琲に対してそこまで興味がありません。
そこで佐藤ねじさんの記事を参考にしながら、私達なりの子供珈琲店を考えることにしました。
1.子供が販売する珈琲はインスタントコーヒーを利用

5歳の子が販売する珈琲は、お湯を注ぐだけのインスタントコーヒーにしました。
お湯を注ぐだけならドリップ式もありますが、ここではあえてインスタントに。
もし子供が今後も珈琲店を続けたくなった場合、販売商品を広げる選択肢として残して置こうと考えたからです。
それにインスタントと言っても、準備から珈琲を提供するまでの作業は全て子供1人で行います。
- コップ、コーヒーの準備
- お湯を電気ケトルで沸かす
- コップにコーヒーを入れる
- 電気ケトルでお湯を注ぐ
- 出したものを全て片づける
- コーヒーを提供する
大人だと簡単な工程1つ1つでも、5歳の幼児にとってはかなり大変作業です。
2.子供珈琲店を始めるかは、子供が自分で決める

家庭内起業で1番大切にしたのは、珈琲店を始めるかどうかは子供が決めるということです。
少し前に、祖父母が1,000円分の図書カードを子供にプレゼントしていました。
土曜日の夕方、もらった図書カードの使い道について、子供と話をすることにしました。
- 『1,000円で大好きなリュウソウジャーの本が買える』
- 『でも、1,000円だと1冊しか買えないんだ』
- 『どうしたらお金を増やすことができるのか、考えてみよう』
佐藤ねじさんの会議を参考に、5歳の子ができること、私達がお金を払っているものを洗い出しました。
議題 | 話し合った結果 |
---|---|
5歳の子ができること | お絵かき、工作、手洗い、食器を出す |
パパ・ママがお金を払っているもの | 車、野菜、お肉、お菓子、ジュース、レストラン |
すぐに珈琲という言葉は出てきませんが、私達から珈琲店をやろう、と提案はしませんでした。
1日の生活を、朝起きてから夜寝るまでを一緒に振り返りながら、子供と一緒になって結論を出すようにしましたね。
1時間くらい話し合いをして、最終的に子供から珈琲をパパ・ママに売ってみたいという結論にたどり着きました。
ちょうど、お金があれば物が買えることに興味があったというのも、自分で決められた理由かもしれません。
ちなみに私達の場合は、子供との話し合いにおいては役割分担をしました。
- 夫(もも):子供と話し合いをして、内容を決める
- 妻(たま):決めた内容を受け止めて、褒める
3.自分のお小遣いでインスタントコーヒーを仕入れる

珈琲店を始めることを決めたら、次は必要なインスタントコーヒーを仕入れに行きました。
祖父母からもらった1,000円分の図書カードを現金にして、家の小さなポーチをお財布代わりしました。
いつも行くスーパーも、お小遣いで仕入れをする子供にとっては違った風景だったかもしれませんね。

珈琲売り場で、子供と一緒にどの珈琲を買うべきかを悩むこと10分、2つの商品に決めました。
- Blendy stickのカフェインレスカフェオレ(ママ用)
- UCC The Blend 115(パパ用)
商品と1,000円札を握りしめて、子供1人でレジに向かい、自分のお小遣いで会計を済ませました。

手元に残ったお小遣いは1,000円から510円となりましたが、5歳の子にとって硬貨が相当嬉しかったようです。
確かにお金の枚数は増えたわけですから、こんな感覚を味わうのも家庭内起業の楽しみですね。
帰宅後は子供と一緒に、赤字にならないように気をつけて珈琲の価格を決めました。
- ホットコーヒー:20円
- カフェインレスカフェオレ:30円
価格は1ヶ月くらいで元の1,000円になることを目安にしました。

子供にメニュー表を書いてもらい、子供珈琲店の商品が決まりました。
4.安全を考慮したキッチンレイアウトで、練習を開始

最後に全ての作業を子供1人でできるように、キッチンレイアウトを少し変更しました。
特に電気ケトルを利用するので、椅子を使って安全に利用できるように気をつけました。
そして、実際にコップの準備~お湯の沸かし方~提供までの練習です。
やけどをしてしまう可能性があるので、沸いたお湯を指で触れささせて本当に熱いことを体感させました。
それ以外は大きな問題もなく、5歳だと意思疎通もできるので、手順もすぐに覚えられました。
かくして2019年5月19日、5歳の子が子供珈琲店を始めることに。
ただ、私達は子供珈琲店を始めると同時に3つの取り組みも意識しました。
5歳児版の子供珈琲店を始めてからの3つの取り組み
1.お客として接するために、親もお小遣いから支払う

私達は最初、子供珈琲店に支払うお金を家計、子育費から支出すべきかを悩みました。
ですが、子供がお店として取り組むなら、私達は親ではなくお客さんとして接するべきと考えました。
営業していれば注文するだけで珈琲が飲めるので、実際に利用してみると思っていたよりも便利です。
珈琲を提供するところまでを含めて、これならお金を払ってもいいかな?と感じるレベルでしたね。
2.飲みたくない時は、飲みたくないと素直に伝える

始めてすぐの頃、子供はたくさん売りたいので頻繁に声をかけてくることもありました。
ですが、本当に飲みたい時以外は正直にいらないと断っていました。
逆に私達が珈琲を飲みたい時には、子供に珈琲店が営業しているか聞くこともありますよ。
面白いのはお互いに飲む、飲まないのやり取りを繰り返していくと、子供なりにタイミングや状況を理解してきます。例えば
- 2人ともお休みの日の朝は飲んでくれる
- 2人ともお昼ごはん前は飲んでくれない
- パパは仕事から帰ってきた時は飲んでくれる
- ママはお休みの日の夕方も飲んでくれる
3.計算機を使って、お小遣い帳をつけてみる

子供珈琲店ではお金のやり取りをするので、お小遣い帳をつけることも始めてみました。
ただ、目的は正しく自分で書くことではなく、お金について考えるキッカケとしました。

写真は実際のお小遣い帳です。(最初の2行は私達が書きました)
5歳では足し算、引き算が分からないので、計算機を利用することにしました。
- 今の残高を入力する
- 足し算を押す
- 受け取ったお金を入力する
- イコールを押す
- 表示された数字を見る
- 実際のお金と見比べる
始めて10円玉10枚を100円玉に両替した時のこと、少し寂しそうな顔をしていました。
理由を聞くと、お金が減ってしまったことが悲しかったらしく、その様子が印象的でしたね。
その時に、10円玉と100円玉の価値、数えるときにどちらが楽なのか、ということから両替の話をしました。
小さなことですが、体験しているからこそ知識として身につくという当たり前のことが大切なのだと私達も学びました。
さて、子供にとっても、私達にとっても初めての子供珈琲店が始まって数ヶ月。
5歳の子にとって本当に多くの気づきがありましたが、今回はその内の2つを紹介します。
子供珈琲店を始めて、5歳児が気づいた3つのこと
1.数字を覚えること、使うことを学ぶ理由を考える

5歳の子は当時、勉強系の習い事をしていたので毎日宿題がありました。

宿題の内容は数字を書くことで、もう少し進むと足し算に入るレベルでした。
私達としては足し算を学び始めると、お小遣い帳にも活かせるかな?と考えていたのですが、ある日、
物を買ったり売ったりするとたくさん数字を使うから、いま練習しているんだ。
宿題をしている時に何気なく話してくれた子供の一言。
2.物の値段に興味を持ちはじめ、価値について考える

ホットコーヒーを1杯売れば20円が手に入ると理解すると、物の値段の高い・安いを考えるようになりました。
例えば、お菓子を選ぶ時に
- うまい棒は10円だから安い
- ヤングドーナッツは40円だから高い
最初はコーヒーとの比較ですが、少しずつ自分の価値観で高い・安いを考えるようになってきました。
- もやしは10円で安いけどいらない
- 大きいドーナッツはお店だと100円で高いけど食べたい
- 小さいヤングドーナッツは40円で高いけど安い
本人いわく、感覚としては高いとは思うけど大きいドーナツほど高くないから、買っても良いかな、という意味だそうですよ。
では最後に、子供珈琲店を始めてから約10ヶ月間のできごとを時系列にまとめました。
子供珈琲店を始めてから約10ヶ月間のできごと
1ヶ月後:お小遣いが1,000円を超え、稼ぐことを実感

子供珈琲店を始めて約1ヶ月後の2019年6月15日、お小遣いが1,050円となりました。
最初の1,000円からお金が増え、手元にはコーヒーがまだ残っているから、お金をもっと増やすこともできる。
子供珈琲店での体験が稼ぐという言葉につながった、子供にも私達にも大切な日となりました。
普段は珈琲を売るともらえる硬貨が増えて、お金が増えているという感覚だけで、稼ぐという言葉が上手く伝わりませんでした。

だから、最初に持っていた1,000円札に両替した時が、子供にとって稼ぐという意味を理解する良いタイミングでした。
そして何よりも1番大切だったことは、コツコツと1ヶ月もの間、珈琲店を続けた子供の頑張りです。
私達2人から思いっっっっっっきり子供を褒めてあげた日でもありました。
お小遣いは1,000円を超えましたが、子供が続けたいということで、子供珈琲店は継続することになりました。
3ヶ月後:商品にアイスコーヒーを追加して、単価をアップ

夏になりホットコーヒーが売れなくなったので、冷たい商品、アイスコーヒーを増やしました。
アイスコーヒーの場合、氷を入れるという工程が1つ増えることになります。
そこで子供と一緒に考えて、やることが1つ多くなった=手間暇がかかるということで、値段を10円高い30円にしました。
手間暇がかかると値段も上がる、付加価値に対する考え方を、子供は理解しようと頑張っていました。

メニュー表にもアイスコーヒーを追加して、年中営業ができる子供珈琲店となりました。
5ヶ月後:下の子のやる気を活用しようと試行錯誤

アイスコーヒーを追加してから、氷を入れる作業が増えて大変と5歳の子は感じていました。
そこで、本人が思いついたのが、下の子(3歳)を利用するということでした。
- コーヒーを作り始める
- 下の子が寄ってくる
- 氷を入れてもいいよと声をかける
- 下の子は喜んで入れる
- アイスコーヒーを提供する
- お金を貰う
- ただし、下の子にお金は払わない
下の子は珈琲店に参加できただけでも満足なので、喧嘩にもならず、Win-Winの関係を構築していたのが面白かったです。
子供の成長や行動には私達も驚かされることが多かったですね。
3歳だと、どうしても作業が大雑把になるため、コップを倒してしまうことも多かったのです。
コーヒーはダメになるし、下の子とは喧嘩になるし、お金も手に入らない。
最終的には下の子に任せることはやめていましたが、こういう試行錯誤も学びですよね。
10ヶ月後:下の子(3歳児)も子供珈琲店を始めることに

2020年3月、下の子も子供珈琲店をやると言い出したので始めてみることにしました。
私達はおでかけの時、子供達には自分の財布を持たせていて、買い物は自由にすることができます。
子供珈琲店をしていない下の子は、お金が減るばかりで増えることが無いのを改善したいと考えたようです。
ただ、3歳ではお湯を入れるだけでもかなり大変で、数字もまだしっかりと分かりません。
それでもやってみたいという気持ちは大切にしたいので、少しサポートをしつつ赤字にならない値段設定で始めました。
- カフェラテ:20円
ちなみに、お金に対する興味は強いので、お小遣い帳はつけなくてもいいと考えました。
こんな風に少しずつですが、良い意味で家庭内でお金に対する考え方、体験が広がっていると実感しています。
まとめ:家庭内起業でお金をもっと身近に感じよう
今回は子供のお金の教育として、家庭内起業による子供珈琲店の取り組みについてまとめました。
最初はそこまで大きな期待をしていませんでしたが、子供も私達も本当にたくさんの学びがありました。例えば
- お金について話す機会が増えた
- 高い、安いを考えるようになった
- 必要、不要という価値を意識するようになった
- お金は自分でも稼げるものと知った
- 上の子から下の子へとつながる影響
そして、子供珈琲店を続ける中で私達が大事にしていることは、子供のペースに向き合うということです。
子供達は一生懸命考えますが、集中力も長く続くものではありません。
だからこそ、焦らず、子供達のやりたいようにさせてあげることが大切です。
家庭内起業だからこそ、もっともっと子供達の自由に判断させてあげたら良いのです。
そしてもう1つ、親の私達もお金に対する知識や考え方を学び続けることが重要だと、あらためて実感しました。
今は小さな規模ですが、もう少し成長すれば投資や税金にまで話題が広がっていくでしょう。
親が全て教えてあげる必要はありませんが、広がる好奇心は少しでも活かしてあげたい。
だからこそ、親の私達もお金に対してしっかりと学び、正しい知識を持つことが大切です。
これからはお金に対する知識が必要不可欠となる時代です。
ぜひ小さい子供からでも始められる、子供珈琲店をお家で始めてみませんか?