- 米国ETF投資を考えている、取り組んでいる
- REIT、IYRについて知りたい
- IYRに投資をしている人の体験談を知りたい
こんにちは、ももたまです。
私達は2019年3月から米国ETF投資を主軸とした資産運用に取り組んでいます。

この中で私達は、iシェアーズ 米国不動産 ETF(IYR)に投資をしています。
マンションや戸建てなど不動産投資には、通常大きな金額のお金が必要になります。
ですが、米国ETFのIYRを活用すればリート(REIT)を通じて幅広い米国不動産に投資することができます。
そこで今回はIYRに関して、以下4つのことをまとめました。
- リート(REIT)とIYRの概要
- IYRの保有銘柄、純資産総額、経費率
- IYRの市場価格、分配金、分配金利回り
- おすすめの買付タイミング
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目次
リート(REIT、不動産投資信託)とは何か?

リート(以下、REIT)はReal Estate Investment Trustのことで、簡単に言えば、不動産の投資信託です。
実際には不動産の保有や運用を行う投資法人を通して、画像のように投資を行うことになります。
そして、投資法人が不動産の売買・賃貸によって得た利益を、投資家に分配をするという仕組みです。
REITを活用すれば、何千万円以上ものお金が必要な不動産投資も、少額から行うことができます。
さらに投資法人は大きな金額を扱えるため、複数の不動産に分散投資もできます。

- 投資法人A → 工業用不動産
- 投資法人B → 店舗用不動産
- 投資法人C → 住宅用不動産
そしてIYRは、画像のように複数の米国REITに投資を行うETFで、投資対象のREITは80を超えています。(2021年5月時点)
REITだけでも不動産への分散投資ができますが、IYRならさらに幅広い種類の不動産に投資ができるのです。
では次に、IYRの基本的な情報を3つ見ていきましょう。
- 保有銘柄
- 純資産総額
- 経費率
IYRの保有銘柄、純資産総額、経費率
IYRの保有銘柄は日本から購入できない米国REITばかり
2021年5月時点の、IYRの保有銘柄と割合をまとめたのがこちらです。
ティッカー | 保有銘柄 | 保有割合 |
---|---|---|
AMT | AMERICAN TOWER REIT CORP | 8.65% |
PLD | PROLOGIS REIT INC | 6.63% |
CCI | CROWN CASTLE INTERNATIONAL REIT CO | 6.10% |
EQIX | EQUINIX REIT INC | 4.58% |
DLR | DIGITAL REALTY TRUST REIT INC | 3.25% |
PSA | PUBLIC STORAGE REIT | 3.22% |
SPG | SIMON PROPERTY GROUP REIT INC | 3.08% |
CSGP | COSTAR GROUP INC | 2.53% |
SBAC | SBA COMMUNICATIONS REIT CORP CLASS | 2.44% |
WELL | WELLTOWER INC | 2.34% |
私達は米国REITに馴染みがありませんが、例えば構成割合1位のAMTは通信インフラに投資をしているREITです。
ここで注目したいのは、日本の証券会社からは米国REITを買付できないということです。
つまり、日本からでも米国REITに投資ができることがIYRの魅力の1つと言えます。
仮に米国REITを個別買付する場合でも、個別株同様に銘柄と企業分析は必須です。
投資に対して多くの時間を割きたくない私達にとって、手軽に分散投資ができるのは大きな魅力です。
純資産総額は0.57兆円と他の保有ETFに比べて少ない
IYRの純資産総額は、私達が投資をしている他のETFと比べると以下の通り少ないことが分かります。
ティッカー | 純資産総額(2021年5月時点) |
---|---|
VT | 約2.3兆円 |
VYM | 約4.1兆円 |
LQD | 約4.5兆円 |
IYR | 約0.57兆円 |
約0.57兆円という数字は決して少ない金額ではありませんが、米国市場の規模で見れば少ないと言わざるを得ません。
経費率も0.42%と、他の銘柄に比べると少し高め
経費率も、私達が投資をしている他のETFと比べると以下の通り少し高めです。
ティッカー | 経費率(2021年5月時点) |
---|---|
VT | 0.08% |
VYM | 0.06% |
LQD | 0.14% |
IYR | 0.42% |
経費率が安いバンガード社の不動産ETF(VNQ)でも0.12%と、一般的に不動産ETFは経費率が高めです。
それでも0.5%以下という経費率は、高くはないと言える水準です。
さて、IYRの基本的な情報が分かったところで、次は以下の実績を見ていきましょう。
- 市場価格
- 分配金
- 分配金利回り
IYRの市場価格、分配金、分配金利回りの推移
市場価格はリーマンショック時には70%以上も下落
画像はIYRの市場価格推移ですが、以下の2つの時期で大きく暴落しています。
- 2007年~2009年:リーマンショック
- 2020年~:コロナショック
リーマンショックではサブプライム住宅ローン危機といった、住宅関連の金融危機も大きく問題となりました。
それに合わせて、REITへ投資をするIYRの市場価格も大きく暴落しました。
そこでリーマンショック、コロナショックに関する市場価格の状況を以下のようにまとめてみました。
リーマンショック | コロナショック | |
---|---|---|
暴落前の最高値 | 92.52ドル(2007年2月9日) | 100.21ドル(2020年2月21日) |
暴落後の最安値 | 22.21ドル(2009年3月6日) | 57.84ドル(2020年3月23日) |
暴落の期間 | 2年25日間(756日間) | 31日間 |
騰落率 | -76.00% | -42.28% |
市場価格が回復した時期 | 93.68ドル(2019年9月6日) | – |
市場価格の回復までの期間 | 10年6か月間(3,836日間) | – |
リーマンショックでは市場価格が3割以下となり、暴落前の水準に戻るまで10年以上かかったことが分かります。
これは以下のように言い換えることができます。
1,000万円を投資していた場合
- 2年かけて240万円まで下落
- 10年かけて1,000万円に戻った
また、コロナショックでは暴落期間は短かったものの、1年以上が経った2021年5月時点でも暴落前の高値を更新できていません。
一方で暴落後は、ゆっくりと右肩上がりで回復を続けてきたことからも、米国の不動産市場の強さも理解できます。
長期的な右肩上がりを狙える銘柄ではありますが、買付タイミングがとても重要な銘柄とも言えるでしょう。
分配金は増配・減配を繰り返しているが利回りは右肩下がり
IYRの年間分配金、(各年末の市場価格における)分配金利回りをまとめたものが、以下のグラフです。

まず、リーマンショックがあった2008年、2009年では分配金は3割ほど下落しています。
ですが、市場価格の7割減に比べれば、分配金の下落幅は小さいです。
リーマンショック後は、2016年をピークに分配金は利回りと共に右肩下がりを続けています。
2020年はコロナショックの影響もあり、分配金利回りは2.5%まで落ち込んでいます。
私達が投資する、他の銘柄と比べると高配当と呼べる水準では無いと言えるでしょう。
- VT:バンガード トータル・ストックETF(1.55%)
- VYM:バンガード・米国高配当株式ETF(2.83%)
- HDV:iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(3.60%)
- SPYD:SPDRポートフォリオS&P500高配当株ETF(4.54%)
- LQD:iシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(2.60%)
※分配金利回りは2021年5月時点
では最後に、私達が考えるIYRのおすすめ買付タイミングについてみていきましょう。
IYRはどのタイミングで買付するのがおすすめか?
私達はIYRのおすすめ買付タイミングは、以下の2つの条件がそろった時と考えています。
- アセットアロケーションに合わせて不動産割合を増やす時
- 分配金利回りが税引き後4%を超えた時
私達は全世界株式のVTを毎月買付しており、高配当株式ETFであるHDVやSPYDもスポットで買付しています。
また、現時点のアセットアロケーションでは不動産割合は10%以下で十分と考えています。
私達のアセットアロケーションについては、下記の記事を参考にしてみてください。

不動産投資でもあるIYRの魅力は、分散投資と分配金です。
そのため、分配金利回り税引前2.5%程度の2021年5月時点では、魅力的な銘柄とは言えません。
米国ETF投資では、分配金に対して約3割の税金がかかるため、税引前は3%でも税引後だと2%まで落ち込むことになります。

ちなみに市場価格の成長性から、定期買付で値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うことも考えました。
ですが、以下の2つの理由から定期買付すべき対象ではないと結論づけています。
- リーマンショックの騰落率が高い
- 不動産よりも株式の成長率の方が高い
私達としては、アセットアロケーションと分配金利回りの条件が揃った時に、追加の買付を行う予定です。
まとめ:少額で米国不動産投資ができる魅力的な銘柄
今回は私達が実際に投資をしている、IYR(iシェアーズ 米国不動産 ETF)についてまとめました。
- 80を超える米国REITに投資
- 個別買付ができない米国REITを含めた分散投資
- 資産規模は約0.57兆円と少ない
- 経費率は0.42%と少し高い
- 市場価格は右肩上がりだが、暴落時には7割減も
- 分配金・利回りともに右肩下がり
大きな金額が必要な不動産投資、さらに日本からは投資ができない米国REITへの投資も、IYRなら実現できます。
リーマンショックでは市場価格が大きく暴落しましたが、その後の回復力に米国不動産市場の力強さを感じます。
ただ、IYRの過去の騰落率、株式と比較した成長率の低さから定期買付はおすすめしません。
私達の場合、以下の2つの条件が揃った時に買付を検討していきます。
- アセットアロケーションに合わせて不動産割合を増やす時
- 分配金利回りが税引前4%を超えた時
REITや不動産ETFの大きな魅力の1つは分配金だからこそ、今後も定期的にチェックしていきたい銘柄です。
米国ETFを活用すれば、アセットアロケーションの中に不動産をカンタンに組み込むことができます。
みなさんも現金、株式、債券以外に、ぜひ不動産も資産の一部に加えていきましょう。
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以上、ももたまでした!