- 老後資金に向けて低解約返戻金型終身保険を契約している
- 低解約返戻金型終身保険を解約を考えている
- 保険を解約した理由、実体験を知りたい
こんにちは、ももたまです。
私達は結婚した当時、「老後資金」を目的にマニュライフ生命保険の低解約返戻金型終身保険を契約しました。
その後2019年7月に、低解約返戻金型終身保険を夫婦ともに解約し、損失額は50万円を超えました。
それでも、以下のように嬉しいことが多く、本当に解約して良かったと感じてます。
- 不要な保険に加入しているストレスが無くなった
- 年間の支出を抑えることができた
- 自分のお金を大切にするようになった
- 資産運用について学び、始めることができた
- 老後に対する漠然とした不安が激減した
漠然とした老後の不安を「保険」で払拭しようとしても、不安は小さくなるどころか、逆に大きくなるだけでした。
今では、老後資金を目的とした低解約返戻金型終身保険は不要だと確信しています。
そこで今回は、低解約返戻金型終身保険に関して、以下の4つのことをまとめました。
- 低解約返戻金型終身保険とは?
- 低解約返戻金型終身保険を解約した6つの理由
- 実際の保険解約完了までの3ステップ
- 老後資金の準備に必要なことは1つだけ
私達の契約内容や実体験もまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
低解約返戻金型終身保険とは?
はじめに、低解約返戻金型終身保険に関して、以下の2つのことを見ていきましょう。
- 低解約返戻金型終身保険とは貯蓄型の生命保険
- 実際に私達が契約していた保険内容を紹介
低解約返戻金型終身保険とは貯蓄型の生命保険
低解約返戻金型終身保険の特徴を分かりやすくまとめたのが、以下の図になります。
低解約返戻金型終身保険を簡単にまとめると、以下の2つの特徴がある生命保険です。
- 払い込み前に解約すると、返戻金が少ない=損をする
- 払い込み後は、払込金額よりも返戻金が多い=得をする
つまり、「途中解約すると損だけど、払い込みが終われば得」という生命保険です。
そのため一度契約すると、「途中解約の損失」が年々大きくなり解約しづらい保険とも言えます。
また、60歳以降は解約しなければ返戻金が増えてくことからも、保険を活用した資産運用と考える人もいます。
実際に契約当時の私達も、「老後資金」を目的として「保険による資産運用」と考えて契約しました。
そこで、実際に私達が契約していた保険内容を見てみましょう。
実際に私達が契約していた低解約返戻金型終身保険の内容
もも(夫) | たま(妻) | |
---|---|---|
契約時年齢 | 26歳 | 26歳 |
払い込み年齢 | 60歳 | 60歳 |
保険金額 | 800万円 | 300万 |
年間保険料 | 約12万円 | 約5万 |
25年(51歳)で解約 | 約254万(支払総額300万) | 約105万(支払総額125万) |
30年(56歳)で解約 | 約318万(支払総額360万) | 約132万(支払総額150万) |
35年(61歳)で解約 | 約541万(支払総額408万) | 約225万(支払総額170万) |
40年(66歳)で解約 | 約587万(支払総額408万) | 約244万(支払総額170万) |
夫婦で年間約17万円を34年間支払い続けると、最終的に返戻金がプラスとなる保険内容でした。
当時は、「資産運用とか良く分からないし、保険なら深く考えなくていい」という理由で契約しました。
しかも数年後には、学資保険の代わりとして同様の低解約返戻金型終身保険を追加で契約しました。
「学資保険」目的での解約体験談は、下記の記事にまとめたので参考にしてみてください。

そんな私達でしたが、「老後資金」目的の低解約返戻金型終身保険を、2019年7月に解約しました。
そこで、私達が保険の解約を決めた6つの理由について振り返っていきます。
低解約返戻金型終身保険を解約した6つの理由
私達が低解約返戻金型終身保険の解約を決めた理由は、大きく以下の6つです。
- 保険による運用利回りは決して高くない
- インフレリスクに対応することができない
- 多額のお金が長期にわたって拘束される
- 支払い続ける固定費が大きなストレスだった
- 保険会社に「絶対の保証」はない
- 自分達が目指す「人生の目的」に合わない
理由①:保険による運用利回りは決して高くない

当時の契約を夫婦で61歳、66歳で解約した場合、運用利回りは以下のようになります。
61歳 | 66歳 | |
---|---|---|
積立金額 | 17万円 | |
積立期間 | 34年 | |
支払総額 | 578万円 | |
返戻金 | 766万円 | 831万円 |
契約期間 | 35年 | 40年 |
運用利回り | 1.472% | 1.513% |
返戻金の増加額を見れば100万円以上ですが、34年間も支払い続けた結果です。
銀行の定期預金と比べて高いと感じる人もいるかも知れませんが、資産運用という観点で見れば決して高くありません。
むしろ、年利1.5%という運用利回りは低いと私達は考えています。
例として、以下の2つの投資商品の運用利回りを見てみましょう。
商品 | eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | VT (バンガード・トータル・ワールド・ストックETF) |
---|---|---|
種類 | 投資信託 | 米国ETF |
設定日 | 2018年10月31日 | 2008年6月24日 |
運用年数 | 約1年6ヶ月 | 約12年 |
設定来利回り | 6.1% | 5.7% |
どちらの商品も世界中の株式会社に広く分散投資ができる、とても有名な優良投資商品です。
他の投資商品の利回りを比較すれば、約1.5%という運用利回りが決して高くないことが分かります。
保険を活用した資産運用が目的であれば、資産運用について学び・理解した上で契約することが重要です。
理由②:インフレリスクに対応することができない

みなさんは日本銀行が2%の物価上昇、つまりインフレを目指していることを知っていますか?
「2%の物価安定の目標は日銀政策委員会が自ら決定したもの。物価の安定という日銀の使命を果たすためにはこれを実現していくことが必要だ」
ブルームバーグ「日銀総裁:2%実現を目指していく方針に変わりない」より
これは100円で購入できた物が、102円支払わないと購入できなくなるということです。
最近、お菓子などを中心に「値段はそのままで、容量だけ減らした商品」が増えてきました。
これはシュリンクフレーションと呼ばれる、実質的な値上げ、つまりインフレの一種です。
物の値段が上がると企業の売上も上がるため、株式などの投資商品はインフレに強いと言われています。
しかし保険の場合、利回りは契約時に決まるため、インフレが起きても利回りは改善しません。
つまり、世界全体で進む物価上昇は、私達が老後を過ごす日本では確実に影響を与えてきます。
契約時点で利回りが固定された保険では、老後のインフレリスクに対応することができないのです。
理由③:多額のお金が長期にわたって拘束される

低解約返戻金型終身保険では、61歳まで総額578万円という金額が拘束されることになります。
つまり、iDeCoや企業型確定拠出年金と同じく、流動性の低い資産と言えます。
子育て世帯でもある私達は、子供の成長に合わせて支出も増え、進路によって学費も大きく変わります。
そして、子供達が社会人になった後は、きっと夫婦2人で過ごす時間が増えていくのでしょう。
ですが、未来は誰にも分からず、お金がいつ・いくら必要になるのか正確な見通しは持てません。
そのため資産運用においては、資金管理と同様に、資産の流動性も重要になってきます。
子供が高校生になり、お金が必要になったとして老後資金のための保険を解約しては本末転倒です。
先を見通せないからこそ、長期的にお金を拘束する保険に魅力を感じませんでした。
理由④:支払い続ける固定費が大きなストレスだった

保険料の支払いは月々、もしくは年間の固定費が上がため、精神的な負担が大きくなります。
私達の場合、年間17万円、つまり月1.4万円もの支払いを34年間続けていくことが必要でした。
さらに、支払ったお金は貯金とは違い、自由に使えないものにお金を支払っただけと感じまそた。
流動性の低い資産にお金を支払い続けるという状況は、私達にとって精神的な負担が大きかったです。
理由⑤:保険会社に「絶対の保証」はない

仮に、みなさんが保険会社だとしたら、1番の目的は「利益を上げること」ではありませんか?
言い方を変えれば、喜んで保険金の支払いに応じるということは、決して無いということです。
資産運用目的の貯蓄型保険において、保険会社の支払いトラブルは裁判にもなっています。
平成6年契約において満期保険金は、支払う保険料とほぼ同額(347 万円)か、この金額を下回ることはないと言われた。平成28年10月、相手方より平成6年契約の満期保険金が約 305 万円になるとの通知書が届いた。
国民生活センター「【事案 14】学資保険の「元本割れ」に関する紛争(3)」より
さらに保険会社も2000年に入ってから、6社も倒産しており決して安泰な業界とは言えません。
保険会社 | 破綻時期 |
---|---|
第百生命 | 2000年5月 |
大正生命 | 2000年8月 |
千代田生命 | 2000年10月 |
協栄生命 | 2000年10月 |
東京生命 | 2001年3月 |
大和生命 | 2008年10月 |
厳しい経営状態となったとき、売上・利益をどのように確保するのか?何を最優先に考えるのか?
保険には「自分達の大切なお金を他人に預けるリスク」があるのだと、私達は感じています。
理由⑥:自分達が目指す「人生の目的」に合わない

私達は人生の目的として『今と未来を全力で楽しむ』ことを掲げています。

そのために、夫婦で3つの目標を立てて行動し続けています。
- 夫婦いつまでも手をつないで歩くこと
- 家族で47都道府県、夫婦で50ヶ国制覇すること
- 55歳までにセミリタイア環境をつくること
そして、3つ目の目標である「セミリタイアの実現」には、以下の2つが必要不可欠です。
- 倹約:必要なものにお金を支払い、無駄遣いしない
- 投資:お金を生み出す資産を作り上げること
運用利回りが低く資金拘束が拘束され、固定費上昇とリスクもある保険に、必要性はありませんでした。
一方で、自分達での資産運用が必要と理解して、2019年3月から米国ETF投資を始めました。

さて、私達が低解約返戻金型終身保険を解約した6つの理由が分かったところで、実際の解約手順も見ていきましょう。
実際の保険解約完了までの簡単3ステップ
ステップ①:保険契約時の担当者にメールで連絡
私達は保険代理店を経由していたため、担当者にメールで解約することを伝えました。
電話や直接会うことは、引き止められるだけなのでおすすめしません。
私達は解約理由として『詳細は説明できませんが家庭の事情です』と伝えて終わりました。
ちなみに、解約返戻金の金額と解約のタイミングも合わせて確認しておきましょう。
私達は年払いだったため、支払い月が過ぎてしまうと1年分の保険料を支払う必要がありました。
ステップ②:保険会社からの解約書類を記入して返送
解約を依頼すると、後日保険会社から以下のような解約書類が送られてきます。

必要事項を記入するだけですが、契約者の自署(サイン)が必要なので注意しましょう。
ステップ③:振り込まれる解約返戻金を確認
ステップ①で確認した解約返戻金と同じ金額が振り込まれることを確認しておきましょう。
私達の場合、解約書類を送付してから1ヶ月以内に振り込まれました。

老後資金の準備に必要なことは1つだけ
低解約返戻金型終身保険を契約・解約し、資産運用を始め、老後資金に対する漠然とした不安が無くなった私達。
そんな私達が伝えたい「老後資金の準備に必要なこと」、それは「漠然とした不安に向き合うこと」です。
- 現在の生活支出を知る
- 国民年金の金額を知る
- 厚生年金の金額を知る
- 老後の生活に必要なお金を知る
漠然とした不安を1つ1つ向き合うことで、老後という未来に向けて今何をすべきなのか?が見えてきます。
- 普段の生活費を下げる
- 世帯収入を増やす
- 資産運用をする
そんな時は、私達がおすすめする「リベラルアーツ大学 お金の大学」をぜひ参考にしてください。
保険や老後に限らず、普段の生活費を下げることから投資まで、本当に幅広いお金の基礎知識を学ぶことができます。
実際に私達が活用している内容も多く盛り込まれているので、ぜひ一度読んでみてください。
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私達も学んだことを生かして、家計見直し・米国ETF投資・副業に取り組むことで、老後の不安は激減しました。
まとめ:保険にすがることをやめ不安と向き合おう
今回は私達が「老後資金」を目的に契約をした低解約返戻金型終身保険についてまとめまし
- 保険による運用利回りは決して高くない
- インフレリスクに対応することができない
- 多額のお金が長期にわたって拘束される
- 支払い続ける固定費が大きなストレスだった
- 保険会社に「絶対の保証」はない
- 自分達が目指す「人生の目的」に合わない
2019年7月に解約をした時、金額としては50万円以上損をしました。
その代わり保険を解約したことで、以下のような嬉しいことが増え、老後の不安を激減させることができました。
- 固定費が上がるストレスからの開放
- 他人にお金を預ける不安の排除
- 老後に向けた副業への取り組み
- 資産運用による資産の実感
- 今という時間を心から楽しめる環境
その結果、2020年6月には資産が3,000万円を突破しました。
6月に入り資産が3,000万円を突破しました✨
✅生活費の支出は年々下がり
✅2人の子供達はすくすく育ち
✅資産収入、事業収入が芽を出し
✅大好きなおでかけの頻度は増えた幸せの形やゴールは人それぞれですが、自分の幸せに頑張る方々と一緒に、これからも私達は夫婦で色々なことに挑戦し続けます😆 pic.twitter.com/MFgkBg93mm
— ももたま夫婦@米国ETF投資家&夫婦ブロガー (@MomotamaHappy) June 8, 2020
みなさんも「漠然とした不安」から目を背けるのを止めて、まずは本を読むことで不安に向き合っていきましょう。
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