- 米国ETFのVTについて具体的に知りたい
- 難しい言葉を抜きに、VTについて簡単に知りたい
- 投資にオススメの銘柄なのか体験談も含めて知りたい
こんにちは、ももたまです。
米国ETF投資を始める時、誰もが悩むのが銘柄選びです。
その中で、VTは世界中の株式に幅広く分散投資ができるオススメの銘柄です。
私達も2019年3月から投資していて、利益はもちろん、分配金という形の不労所得も手にできるようなりました。
そこで今回は、初心者だった自分達の目線で、VTをカンタンに分かりやすくまとめました。
オススメの投資方法についても紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
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目次
VTはどんな特徴を持つETFなのか?

VTは、世界47カ国の8,000銘柄以上の株式に分散投資をするETFです。
「世界中の株式の詰め合わせパック」みたいなもので、1口購入するだけで世界中の株式に投資できます。
VTは万人にオススメできる銘柄ですが、「資産運用に時間や手間暇をかけたくないけど、大きな利益(リターン)も狙いたい」という人には特にオススメです。
その理由は大きく4つあります。
以下は、各金融商品ごとの1802年から2019年までの実質トータルリターン(リターンからインフレ率を引いたモノ)をまとめたグラフです。
- Stocks(株式):年利6.8%
- Bonds(長期国債):年利3.5%
- Bills(短期国債):年利2.6%
- Gold(金):年利0.6%
- Dollar(米ドル – 現金):年利-1.4%
つまり、現金だけを持っていても、インフレによって結果的に資産は減っていくというのが分かるデータでもあります。
さて、ETFは株式以外に国債などの債権、金などのコモディティに投資するモノもあります。
ただ、グラフを見て分かる通り、長期的なリターンを考えるなら株式が最適と言うわけです。
有名な投資の格言に、「卵は一つのカゴに盛るな」というのがあります。

例えば、1つの会社にだけ投資していれば、その会社が倒産すると全資産を失います。
一方VTは、世界47カ国、8,000銘柄以上の株式に投資をしているので、1社が倒産しても影響は小さいです。
まさに、幅広い分散投資を体現しているETFと言えるでしょう。
普通に8,000銘柄の株式を買う場合、単純に8,000回も注文手続きをしなければなりません。
今はインターネットで簡単に買えると言っても、現実的には難しいです。
実際にはできませんが、100円ずつ8,000銘柄に投資するには約80万円が必要です。
それがVTなら一口、約1.2万円で投資できます。
(※2022年2月時点で、VTの市場価格は103.93ドル、1ドル=114.53円)
例えば、A社とB社の株を50万円ずつ買ったケースを考えてみましょう。
1年後、A社の株が40万円に、B社の株が60万円になった場合、投資割合は「5:5」から「4:6」になってしまいます。
この時、A社の株式を20万円分買う、もしくはB社の株式を20万円分売ることをリバランスと言います。

後ほど詳しく解説しますが、2022年時点で世界中の株式で大きく成長しているのは米国企業です。
しかし、20年後、30年後も米国企業が常に成長し続けているとは限りません。
VTは世界中の株式の各時価総額を計算して、各銘柄に対する投資割合を常にリバランスしています。
つまりVTは、高いリターンが望める株式に対して、分散投資とリバランスを簡単に実現できるETFなのです。
リスクとリターンのバランスが取れているETFとも言えるでしょう。
そこで、続いてはVTがどれくらい分散投資しているのか?という点を見ていきましょう。
VTの分散性(構成銘柄・セクター・投資市場)
VTはどんな会社にどれくらい投資しているのか?
VTは誰もが知っている有名な会社、例えばAppleにも投資していますが、構成割合が1%を超えているのはわずか5社だけです。
その理由は、時価総額(株価×発行株式数)に基づいて投資する割合を決めているからです。
世界中の時価総額に比べれば、1つの会社の時価総額はそれほど大きな割合になりません。
実際、2022年2月時点での構成割合の上位10銘柄と割合は以下のとおりです。
銘柄 | シンボル | 構成割合 |
---|---|---|
Apple Inc. | AAPL | 2.85% |
Microsoft Corp. | MSFT | 2.71% |
Amazon.com Inc. | AMZN | 1.98% |
Facebook Inc. | FB | 1.10% |
Alphabet Inc A | GOOGL | 0.97% |
Alphabet Inc Class C | GOOG | 0.95% |
Tesla Inc. | TSLA | 0.70% |
NVIDIA Corp | NVDA | 0.64% |
JPMorgan Chase & Co | JPM | 0.62% |
Tencent Holdings Ltd | 700 | 0.60% |
仮にAppleが破産して株式が紙切れになったとしても、影響は2.85%しかないということです。
データからも、VTが幅広い銘柄に分散投資していることが分かります。
セクター別に分けて考えると「かたより」も見られる
ではVTは完全な分散投資なのかと言うと、そうとは言い切れません。
例えば、企業を業種などでグループ分けしたセクター別に見てみると、ある程度の「かたより」が見られるのです。
2022年2月時点のVTのセクター割合は以下のとおりです。
セクター | 構成割合 |
---|---|
テクノロジー(Technology) | 19.63% |
金融(Financial Services) | 15.36% |
一般消費財(Consumer Cyclical) | 12.32% |
ヘルスケア(Healthcare) | 11.58% |
資本財(Industrials) | 10.70% |
電気通信(Communication Services) | 9.02% |
生活必需品(Consumer Defensive) | 6.71% |
素材(Basic Materials) | 4.97% |
不動産(Real Estate) | 3.64% |
エネルギー(Energy) | 3.48% |
公益(Utilities) | 2.60% |
約20%を占めるテクノロジーは、ビッグ・テックの存在が大きいです。
ビッグ・テックは、世界中で大きな影響力を持つIT企業の総称で、Google、Apple、Meta(Facebook)、Amazon、Microsoftの5社を示すことが多いです。
実際、2020年1月のセクター割合では金融が20%を超えていました。
今後も成長企業が多いセクターほど「かやより」が出やすいと言えるでしょう。
ただ、今は成長著しいテクノロジーも、過去にはITバブル(ドットコムバブル)という暴落を経験しています。
企業の構成比率は小さくても、セクター全体が大きく暴落すると影響は避けられません。
市場は米国が60%を占めておりバランスは悪い
もう一つ、VTの分散性で注意しなければならないのが市場の分散性です。
簡単に言えば、どこの国に投資している割合が多いのか?ということです。
2021年12月31日時点で、VTは60%を米国に投資しています。
市場 | VT |
---|---|
米国(United States) | 60.0% |
日本(Japan) | 6.1% |
英国(United Kingdom) | 3.9% |
中国(China) | 3.4% |
カナダ(Canada) | 2.9% |
フランス(France) | 2.6% |
スイス(Switzerland) | 2.4% |
ドイツ(Germany) | 2.1% |
台湾(Taiwan) | 2.0% |
オーストラリア(Australia) | 1.9% |
インド(India) | 1.6% |
韓国(Korea) | 1.5% |
オランダ(Netherlands) | 1.2% |
スウェーデン(Sweden) | 1.1% |
その他 | 7.3% |
言い換えるなら、圧倒的に米国企業の時価総額が大きいということです。
皆さんも自分が利用しているモノやサービスを見た時、米国企業の物が多いのではないでしょうか?
もちろん今後、米国以外の国が成長をすることで構成比率は変わっていきます。
ただ現時点では米国の「かたより」はかなり大きいため、米国経済の影響をVTは良くも悪くも大きく受けることになります。
さて、銘柄やセクター、市場のデータから、VTは世界経済に合わせた分散投資を行っていることが分かりました。
1社が倒産しても影響が小さいということは、1社が凄く成長しても影響が小さいとも言えるからです。
そこで続いては、VTの利回りなどのパフォーマンスについて見ていきましょう。
VTの利回りや分配金などのパフォーマンスはどうか?
2008年からの平均利回りは約7.7%と文句なし!
VTは2008年6月24日から運用されており、運用開始してからの平均利回りは約7.7%です。
先ほどグラフで見た、1802年からの金融資産の実質リターン(株式の年利6.8%)と比べても世界経済の成長をしっかり享受しています。
また、VTと似たETFで「市場を米国に限っているETF(VTI)」とのパフォーマンスを比較してみました。

青のVTIは米国市場の成長を全て受け取れるため、赤のVTに比べると大きく伸びていることが分かります。
しかし、VTIは米国が成長が落ち込むと成長率は落ちてきます。
また、今は両方のチャートが似たような動きを示していますが、今後世界経済が変わっていくと同じ動きにはならないでしょう。
一方VTは、「今後どの国が成長するのかは分からなくとも、世界経済全体が成長し続ける限りリターンを享受できる」わけです。
もちろん米国が成長し続けていく場合でも、先の通りしっかりリターンを受け取れます。
さて、株式のリターンを考えるのであれば、忘れてはいけないのが「暴落」についてです。
そこで、VTが経験した過去の暴落の中で大きなモノを2つまとめました。

リーマンショック | コロナショック | |
---|---|---|
暴落前最高値 | 38.49ドル (2008年6月26日) | 83.17ドル (2020年2月12日) |
暴落後最安値 | 19.14ドル (2009年3月9日) | 54.48ドル (2020年3月23日) |
騰落率 | ▲50.2% | ▲34.5% |
暴落前から 暴落後までの期間 | 256日 (8ヶ月と8日) | 40日 (1ヶ月と11日) |
暴落後の最高値更新 | 38.57ドル (2010年12月29日) | 83.55ドル (2020年8月29日) |
暴落前から 最高値更新までの期間 | 916日 (2年6ヶ月と28日) | 199日 (6ヶ月と17日) |
特にリーマンショックの影響は本当に大きかったことが分かります。
- 市場価格は最大半分にまで下落
- 暴落してから最安値までは約8ヶ月
- 暴落してから最高値までは約2年6ヶ月
「分散しているから大丈夫」「絶対に右肩上がり」といった盲信には要注意です。
3年近く株価が戻らないことも想定しながら、投資する金額を調整していきましょう。
VTの分配金利回りは2%前後を推移している
続いては、米国ETFの魅力の1つである分配金に関してです。
2008年からのVTの分配金と分配金利回りをまとめたのが、以下のグラフになります。

年 | 年間分配金 | 年末の評価額 | 分配金利回り |
---|---|---|---|
2021 | 1.955 | 107.43 | 1.82% |
2020 | 1.536 | 92.58 | 1.66% |
2019 | 1.878 | 80.99 | 2.32% |
2018 | 1.659 | 65.46 | 2.53% |
2017 | 1.565 | 74.26 | 2.11% |
2016 | 1.456 | 61 | 2.39% |
2015 | 1.414 | 57.62 | 2.45% |
2014 | 1.464 | 60.12 | 2.44% |
2013 | 1.222 | 59.4 | 2.06% |
2012 | 1.139 | 49.42 | 2.30% |
2011 | 1.018 | 43.18 | 2.36% |
2010 | 0.918 | 47.8 | 1.92% |
2009 | 0.662 | 43.09 | 1.54% |
2008 | 0.203 | 32.98 | 0.62% |
意外かもしれませんが、VTの分配金利回りは2%前後です。
米国は株主第一主義国とも呼ばれており、株価だけでなく株主への配当にも意識が高いです。
VTは基本的に市場価格の値上がりを狙っていきますが、分配金もしっかり貰えるETFと言えるでしょう。
実際、私達も毎年4回(3月、6月、9月、12月)の分配金を受け取っています。
分配金は資産収入を実感させてくれるので、資産運用を楽しめる秘訣でもあります。
ちなみに、私達の分配金額などの詳細は投資実績として随時更新しているので、ぜひ参考にしてみてください。

さて、次はVTに対する評価を第三者目線も踏まえて紹介します。
VTに対する評価を様々な角度から見てみる
VTの純資産総額は約3.5兆円、経費率はわずか0.08%
VTを評価する上で、欠かせないのが純資産総額(約3.5兆円)と経費率(0.08%)です。
純資産総額はETFが保有する資産金額で、金額が大きければ大きいほど多くの投資家に買われていると言えます。
経費率は運用にかかる経費の割合で、低ければ低いほど良いということになります。
そこで今回は、『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021』の上位10銘柄と比較してみました。
Fund of the Yearは一般投資家の意見が強く反映されたランキングのため、証券会社が出すモノより信頼性は高いです。
順位 | 銘柄 | 純資産総額 (億円) | 経費率(%) (管理費用) |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 3,931 | 0.1144% |
2 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 3,487 | 0.1023% |
3 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 35,154 | 0.08% |
4 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 9,146 | 0.0968% |
5 | iFree レバレッジ NASDAQ100 | 1,497 | 0.99% |
6 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 2,804 | 0.1023% |
7 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 2,920 | 0.59% |
8 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 4,422 | 0.162% |
9 | たわらノーロード先進国株式 | 1,609 | 0.10989% |
10 | SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 493 | 0.0938% |
VTはランキング3位という成績だけでなく、純資産総額と経費率、どちらもランキング中1位です。
まさに数多くの投資家からも評価されており、ファンドも投資家に対して低コストを実現している優良ファンドと言えます。
運営元であるバンガード社は世界3大資産運用会社の1つ
VTを運用しているバンガード社は、世界トップクラスの資産運用会社で、低コストで有名です。
米国ETF全体の平均経費率は0.5%以下ですが、バンガード社のETF全体では0.06%以下と圧倒的低さを誇ります。(参考:バンガード社)
- 2014年2月:0.18%に引き下げ
- 2015年2月:0.17%に引き下げ
- 2016年2月:0.14%に引き下げ
- 2017年2月:0.11%に引き下げ
- 2018年2月:0.10%に引き下げ
- 2019年2月:0.09%に引き下げ
- 2020年2月:0.08%に引き下げ
VTという商品自体の魅力はもちろん、運用するバンガード社も長く付き合っていける魅力があります。
VTのおすすめ投資方法は「毎月の定期積立」
VTは長期的なインデックス投資に適した銘柄のため、おすすめは毎月の定期積立です。
理由は長期的な運用とリスク許容度を少しずつ高めていくためです。
米国株式の過去を振り返ると、どんな期間で区切っても15年以上運用すれば利益(リターン)がマイナスになりません。

もちろん、15年以上運用すれば今後も絶対にマイナスならないとは言い切れません。
それでも、15年は1つの運用期間の目安にできるでしょう。
15年以上運用できれば一括投資でも良いのですが、最初は不安が大きいものです。
毎月の定期積立であれば、投資期間が浅くても、余裕資金が少額でも取り組み始めることができます。
さらに、投資を続けていく中でリスク許容度を高めることができ、将来大きな金額を運用する事になっても落ち着けるでしょう。
今では1,000万円以上を運用していますが、当時、いきなり高額な運用をしていたら精神的にも辛かったでしょう。
これから投資を始めようと思っている人こそ、まずは毎月の定期積立から始めてみましょう。
なお、リスク許容度については下記の記事を参考にしてください。

まとめ:VTは世界中の株式への分散投資を実現
VTは世界47カ国、8,000銘柄以上の株式への投資を、少ない経費率(0,08%)で実現できるETFです。
構成比率が1%を超える銘柄はわずか5つと、各銘柄に対してもしっかり分散投資をしています。
しかし、セクターや市場には「かたより」があり、2022年2月時点では米国への投資が60%を占めていることは注意すべきでしょう。
そのため、暴落は避けられませんが、約7.7%という過去平均利回りを見ても世界経済の成長を享受しています。
15年を一つの運用期間の目安にしながら、毎月コツコツと積立投資をしていくことで、攻守のバランスが取れた資産運用が実現できるでしょう。
特に、リバランスが大変と考えている人や、証券口座の数字が増えるだけではつまらない(分配金が欲しい)と考えている人に、VTは魅力的な銘柄です。
すでにSBI証券の口座を開設している人は、ぜひ以下の記事を参考にVTを買付してみましょう。

まだ口座を開設していないという人は、まずはSBI証券の口座開設をしていきましょう。
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口座開設も無料なので、今のうちに口座を解説しておくことをオススメします。
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