- 米国ETF投資を行っている、考えている
- VTの特徴について知りたい
- VTに投資をしている人の考え方・体験談を知りたい
こんにちは、ももたまです。
私達は2019年3月から毎月積立の米国ETFのインデックス投資を続けています。

そして、保有している米国ETFの中で70%以上を占めているのが、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(以下、VT)です。
VTは投資の基本である「長期・積立・分散」に最適な銘柄だと考えています。
そこで今回は、VTに関する以下の5つのことをまとめました。
- VTの特徴(全世界の株式への分散投資)
- VTの分散性(構成銘柄・セクター・投資市場)
- VTの純資産総額と経費率
- VTの市場価格・分配金・分配金利回りの推移
- VTを買付する「おすすめのタイミング」
私達は、「世界経済の状況を把握しながら投資をする」ことに、多くの時間を割きたくありません。
だからこそ、世界中の銘柄を自動で調整しながら、分散投資を続けてくれるVTは本当に魅力的です。
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目次
VTの特徴は「全世界の株式への分散投資」

VTは以下の通り、世界中の株式銘柄に対して分散投資を行っているETF(上場投資信託)です。
- 投資先の国:40ヶ国以上
- 投資先の銘柄:8000以上
VTというETFを1口購入するだけで、全世界の株式銘柄に投資ができます。
さらに、今後の世界経済の状況に合わせて、投資先の国や銘柄も自動で調整してくれるのです。
普通に幅広く分散投資するには、全ての株式銘柄を買付する必要があります。
それがVTなら日本円で約8,000円で分散投資ができるのですから、本当に凄いです。
実際にはできませんが、仮に100円ずつで全ての銘柄を買付した場合との投資金額を比較すると以下のようになります。
- 100円ずつ8,000銘柄に投資→80万円が必要
- VTに投資→約8,000円
これだけ見ても、世界中の株式へ分散投資をするならVTが魅力的だと分かります。
そこで、「VTがどれくらい分散投資しているのか?」を以下の3つの観点で見てみましょう。
- 構成銘柄
- セクター
- 投資先市場
VTの分散性(構成銘柄・セクター・投資市場)
構成割合が1%を超える株式銘柄はわずか5つだけ
2020年6月30日時点で、VTが投資している銘柄の中で、割合が多い上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄 | シンボル | 構成割合 |
---|---|---|
Microsoft Corp. | MSFT | 2.84900% |
Apple Inc. | AAPL | 2.79000% |
Amazon.com Inc. | AMZN | 2.18700% |
Facebook Inc. Class A | FB | 1.02000% |
Alphabet Inc. Class C | GOOG | 0.79500% |
Alphabet Inc. Class A | GOOGL | 0.78400% |
Alibaba Group Holding Ltd. ADR | BABA | 0.70700% |
Johnson & Johnson | JNJ | 0.69400% |
Tencent Holdings Ltd. | 700 | 0.68500 % |
Visa Inc. Class A | V | 0.61100% |
この中で、構成割合が1%を超えている会社は以下の5つです。
- Google(Class CとClass Aの合計)
- Apple
- Amazon
- Microsoft
IT業界において巨大で支配的・独占的な企業群を指すために2010年台より報道などで使用されている用語。GAFAはGoogle・Amazon・Facebook・Appleの4社を指し、GAFAMは更にMicrosoftを含む5社を指す。(出典:Wikipedia)
大きく株価を伸ばし続ける成長企業は、企業の時価総額が大きくなるためVTの構成割合も増えていきます。
一方で、1番割合が大きいMicrosoftでも全体の約2%と、広く分散投資していることが分かります。
現在は世界を席巻するGAFAMも、50年後はどうなっているか分かりません。
VTへの投資は「今伸びている企業に投資ができる」だけでなく、「これから伸びる企業にも投資ができる」と言えます。
逆に、株価が伸びず低迷する企業は自動的に割合を下げることになるので、本当にやることはありません。
長期的に投資を続けていくからこそ、投資にかける時間を短くすることも大切です。
では続いて、セクターの割合を見ていきましょう。
セクターも分散されているが、少し偏りもみられる
セクターとは企業の業種などをグループ分けしたものです。
2020年6月30日時点で、VTが投資している銘柄のセクター割合は以下の通りです。
セクター | 構成割合 |
---|---|
テクノロジー | 20.3% |
金融 | 18.3% |
資本財 | 12.9% |
消費サービス | 12.4% |
ヘルスケア | 12.2% |
消費財 | 10.6% |
素材 | 4.0% |
石油・ガス | 3.6% |
公益 | 3.2% |
電気通信 | 2.4% |
実は2020年1月時点では、金融が20%を超えていましたが、6月時点では18.3%まで割合が減っています。
その代わり、GAFAMの成長によってテクノロジーのセクターが増えていることが分かります。
セクターごとに景気による影響の大きさ、今後の成長度合いも変わっていきます。
確かにテクノロジーは大きく伸びていますが、過去にはITバブルで大きく暴落しました。
そのため景気敏感セクターとも呼ばれていますが、今後も景気に左右されやすいのかは誰にも分かりません。
仮に今後もGAFAMの時価総額が伸び続けると、セクターの偏りは大きくなっていくでしょう。
そして、株式という特性上、暴落が発生すると市場価格は大きく下落することは避けられません。
後で詳しく解説しますが、2020年2月のコロナショックでも大きく暴落しました。
VTは銘柄の分散性は良くとも、セクターはどうしても偏るということです。
では、続いてVTが投資する市場の割合を見ていきましょう。
市場は米国が50%を超えており、現在は米国偏重といえる
2020年6月30日時点で、VTが投資している銘柄を市場別に分けた割合は以下の通りです。
市場 | VT |
---|---|
米国 | 56.7% |
日本 | 7.5% |
中国 | 4.6% |
英国 | 4.1% |
スイス | 2.7% |
フランス | 2.6% |
カナダ | 2.6% |
ドイツ | 2.5% |
オーストラリア | 2.0% |
台湾 | 1.7% |
韓国 | 1.5% |
オランダ | 1.2% |
香港 | 1.0% |
インド | 1.0% |
その他 | 8.3% |
いろいろな国に投資していますが、米国市場が50%以上を占めていることが分かります。
VTは全世界への分散投資を行う銘柄と言われますが、現時点では米国に大きく偏っています。
現時点では、世界全体の経済状況よりも、米国市場の経済状況がVTに大きく影響すると言えます。
ただ、これはあくまで「今」に限った話であり「未来」については分かりません。
例えば、2020年1月と2020年6月における米国と中国の割合を比較してみましょう。
- 2020年1月:米国(56.3%)、中国(3.6%)
- 2020年6月:米国(56.7%)、中国(4.6%)
仮に中国の構成割合が30%となれば、米国市場だけでなく中国市場の影響を受けるようになります。
逆に言えば、中国市場の成長による恩恵も自動的に受けることができるというわけです。
長期的に保有し続ける前提であれば、世界経済の変化も意識していきましょう。
さて、VTの投資先に関して分かったところで、続いてはVTについて、以下の2つを見ていきましょう。
- 純資産総額
- 経費率
純資産総額は約1.4兆円、経費率もわずか0.08%
純資産総額約1.4兆円は多いのか?少ないのか?
VTの純資産総額は約1.4兆円ですが、金額だけ見ても多いのか?少ないのか?私達もよく分かりませんでした。
そこで、『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019』の上位10銘柄の純資産総額と比較してみました。
順位 | 銘柄 | 純資産総額(億円) ※2020年6月時点 |
---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 395 |
2 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 1,336 |
3 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 1,166 |
4 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 1,821 |
5 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 579 |
6 | 楽天・全米株式インデックスファンド | 1231 |
7 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 2,116 |
8 | グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | 3,901 |
9 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 13,771 |
10 | SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | 550 |
また、日本の投資信託の純資産総額1位の銘柄とも比較してみました。
- ピクテグローバルインカム株式F(毎月分配):約1兆円
- VT:約1.4兆円
純資産総額が多いことは、それだけ多くの投資家に買付されているということを意味します。
また、資産総額が多くなれば、より多くの金額を運用することができるとも言えます。
純資産総額だけで良し悪しを判断することはできませんが、ファンドを評価する重要な指標の1つです。
経費率は「わずか0.08%」と圧倒的な低さを誇る
VTの経費率は0.08%と低いのですが、どれだけ低いのでしょうか?
そこで、先ほどと同じように『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019』の上位10銘柄の管理費用と比べてみましょう。
順位 | 銘柄 | 管理費用(経費率) ※2020年6月時点 |
---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% |
2 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% |
3 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.1023% |
4 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.1023% |
5 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.154% |
6 | 楽天・全米株式インデックスファンド | 0.162% |
7 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 0.506% |
8 | グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | 0.396% |
9 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 0.08% |
10 | SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% |
VTの経費率0.08%が、ランキング内でも最安値ということが分かります。
また先程と同様に、日本における投資信託の純資産総額1位の銘柄とも比較してみました。
- ピクテグローバルインカム株式F(毎月分配):1.81%
- VT:0.08%
日本の投資信託における信託報酬の平均は約1%程度と言われているので、VTの経費率の低さは圧倒的です
- 2014年2月:0.18%に引き下げ
- 2015年2月:0.17%に引き下げ
- 2016年2月:0.14%に引き下げ
- 2017年2月:0.11%に引き下げ
- 2018年2月:0.10%に引き下げ
- 2019年2月:0.09%に引き下げ
- 2020年2月:0.08%に引き下げ
VTを運用するバンガード社は、低コストでも有名であり、実績からもその姿勢が分かります。
仮に、同じ100万円を運用した場合、経費率1%なら1万円、0.08%ならわずか800円です。
なお、投資信託の場合は信託報酬以外に、「隠れコスト」があることを忘れてはいけません。
誰にも分からないブラックボックス部分であり、私達が米国ETFを資産運用の主軸に選んでいる理由でもあります。
「隠れコスト」に関しては、以下の記事にまとめたので参考にしてみて下さい。

では続いて、VTを投資商品としての目線から、以下の2つを見ていきましょう。
- 市場価格の推移
- 分配金・分配金利回りの推移
VTの市場価格、分配金、分配金利回りの推移
市場価格は暴落を経験するも、右肩上がりを続けている
VTの市場価格は2008年から大きな暴落を経験しながらも、ゆっくりと右肩あがりを続けています。
そこで、過去の大きな2つの暴落について、以下のようにまとめてみました。
リーマンショック | コロナショック | |
---|---|---|
暴落前最高値 | 38.49ドル (2008年6月26日) | 82.84ドル (2020年2月12日) |
暴落後最安値 | 19.14ドル (2009年3月9日) | 54.48ドル (2020年3月23日) |
騰落率 | ▲50.2% | ▲34.2% |
暴落前から 暴落後までの期間 | 256日 (8ヶ月と8日) | 40日 (1ヶ月と11日) |
暴落後の最高値更新 | 38.57ドル (2010年12月29日) | – |
暴落前から 最高値更新までの期間 | 916日 (2年6ヶ月と28日) | – |
- 市場価格は最大半分にまで下落
- 暴落してから最安値までは約8ヶ月
- 暴落してから最高値までは約2年6ヶ月
どれだけVTが多くの銘柄に分散投資をしていても、株式である以上、暴落の影響は決して小さくありません。
さらに、VTは米ドル資産であることからも、日本人である私達は為替リスクも考慮すべきです。
「為替リスク」については下記の記事にまとめたので、参考にしてみて下さい。

なお、私達は米国ETFの買付には外貨決済をおすすめしています。

リーマンショック以降、何度も下落を繰り返しながらも全体としては右肩上がりを続けています。
世界全体の経済は必ず回復して、さらに成長し続けていくという力強さを感じます。
分配金は増配を続けているが、利回りは2%台を推移

グラフはVTの年間分配金と、各年末時の市場価格から算出した分配金利回り(税引前)の推移です。
分配金は右肩上がりですが、分配金利回りは税引前2%台を推移していることが分かります。
VTの市場価格は右肩上がりを続けているため、分配金が増えても利回りは増えません。
- 2009年3月:19ドル(1口)
- 2020年2月:82ドル(1口)
どちらのタイミングで購入しても、2019年には1口約1.8ドルの分配金がもらえます。
つまり、「購入時点の市場価格」から見た利回りは以下の通りです。
- 2009年3月:19ドル(1口)→利回り9%
- 2020年2月:82ドル(1口)→利回り2%
だからこそ、「分配金が増えている」という事実も、十分魅力的と言えるわけです。
なお、私達が投資している銘柄であるVYM、LQDの利回りは税引前で3%台です。


VTを買付する「おすすめのタイミング」
VTはインデックス投資に適した銘柄なので、おすすめは毎月の定期買付です。
世界中の株式銘柄に分散投資ができ、経費率の低さからも十分な魅力があります。
一方で、過去の暴落と為替リスクを考えると、今後も市場価格が大きく下落する可能性は高いでしょう。
また、為替リスクに関しては、外貨積立を活用することが最適です。
もし、みなさんのリスク許容度が高いのであれば、「一括投資」も選択肢としては考えられます。
それでも、多くの人が暴落時に耐えられず売却してしまうので、私達としては積立投資がおすすめです。

暴落が起きて、市場価格が何ヶ月も下落し続けていく中でも、コツコツ買付し続けられるかが重要になる銘柄です。
まとめ:世界全体への分散・積立投資におすすめ
今回は私達も実際に投資しているVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)に関してまとめました。
- 40ヶ国、8,000銘柄以上の株式に投資
- 各銘柄への投資はしっかり分散されている
- セクターと投資先市場の偏りはある
- 時価総額に応じて銘柄を自動で調整
- 純資産総額は1.4兆円と十分な多さ
- 経費率も年々下げており、現在は0.08%と低い
- 市場価格、分配金は右肩上がり
- 分配金利回りは税引前2%と低い
- 毎月の積立投資がおすすめ
VTはインカムゲイン(分配金)を期待する銘柄ではなく、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙う銘柄です。
そして、VTだけで世界中の株式に分散投資ができ、世界経済の状況に合わせて銘柄も自動で調整してくれます。
一方で、投資には暴落を避けることはできず、VTも大きな影響を受けます。
その中でも投資をし続けていくことが、資産を形成する上では必要不可欠となります。
だからこそ、日々の家計をしっかり見直しながら、資金管理を徹底していきましょう。

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