- 米国ETF投資に取り組んでいる、取り組んでみたい
- VYMの特徴について知りたい
- VYMに投資をしている人の体験談を知りたい
こんにちは、ももたまです。
私達は2019年3月から米国ETF投資を続けています。

この中で私達はバンガード・米国高配当株式ETF(以下、VYM)を、毎月積立しています。
一般的にインデックス投資において、分配金は重要視されません。
ですが私達は、インデックス投資を続けていく上で、分配金にはとても重要な役割があると考えています。
そこで今回はVYMに関して、以下3つのことについてまとめました。
- VYMという銘柄の詳細と特徴
- VYMを買付するおすすめのタイミング
- インデックス投資における分配金の役割
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目次
VYMは構成銘柄の多さが特徴的な高配当株式ETF
VYMは米国高配当株式ETFと呼ばれていますが、他にも代表的な米国株式高配当ETFは以下の3つがあります。
- SPYD:SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF
- DVY:iシェアーズ 好配当株式ETF
- HDV:iシェアーズ 米国高配当株ETF
そこで、VYMの特徴を理解するために、以下の情報について各ETFと比較してみました。
- 構成銘柄数
- 米国上場企業(約5,700銘柄)における割合
- 分配金利回り
2021年3月時点 | VYM | SPYD | DVY | HDV |
---|---|---|---|---|
構成銘柄数 | 411 | 78 | 100 | 75 |
米国株式における割合 | 約7.2% | 約1.3% | 約1.7% | 約1.3% |
分配金利回り | 3.05% | 4.43% | 3.35% | 3.98% |
VYMの構成銘柄数は411、米国株式全体の約7.2%と、他のETFに比べて広く分散されています。
一方で、分配金利回りは税引前3.05%と他のETFに比べると低いことも分かります。
参考までに、私達が投資している他のETFの分配金利回り(2021年3月時点)は以下の通りです。

では、VYMの特徴でもある分散について、もう少し詳しくみてみましょう。
VYMは構成銘柄以外の分散性はそこまで高くない
構成割合も3%を超える株式銘柄が含まれている
2021年3月における、VYM、SPYD、DVY、HDVの構成銘柄の上位10銘柄と構成割合は以下のとおりです。
VYM | SPYD | DVY | HDV | |
---|---|---|---|---|
1位 | 3.88%(JPM) | 1.53%(HFC) | 3.01%(VIAC) | 11.82%(XOM) |
2位 | 3.64%(JNJ) | 1.52%(VLO) | 2.27%(WFC) | 8.31%(T) |
3位 | 2.62%(PG) | 1.50%(PBCT) | 2.23%(LYB) | 6.96%(JNJ) |
4位 | 2.34%(BAC) | 1.43%(COP) | 2.23%(PRU) | 6.95%(CVX) |
5位 | 2.17%(INTC) | 1.43%(STX.SI) | 2.22%(MPC) | 5.91%(VZ) |
6位 | 2.08%(CMCSA) | 1.42%(XRK) | 2.17%(MO) | 4.51%(PG) |
7位 | 2.01%(XOM) | 1.41%(HPE) | 2.08%(FITB) | 4.28%(PEE) |
8位 | 2.00%(VZ) | 1.40%(MPC) | 1.98%(XOM) | 3.87%(CSCO) |
9位 | 1.73%(T) | 1.39%(SPG) | 1.93%(HPQ) | 3.68%(KO) |
10位 | 1.68%(CVX) | 1.37%(REG) | 1.93%(IP) | 3.40%(MRK) |
SPYDは構成割合が1位の銘柄でも、わずか1.53%と低いですが、VYM・DVYは3%以上と偏りがあります。
HDVに至っては1位の銘柄10%もあるため、かなり偏りが強いと分かるでしょう。
VYMも411銘柄に分散していますが、上位10銘柄で構成比率の約24%を占めています。
では次に、セクターの分散についてもみてみましょう。
VYMはセクターも比較的分散されているが、均等ではない
2021年3月におけるVYM、SPYD、DVY、HDVのセクター別の構成割合をまとめてみました。
VYM | SPYD | DVY | HDV | |
---|---|---|---|---|
1位 | 22.71%(金融) | 24.50%(金融) | 30.68%(金融) | 24.22%(エネルギー) |
2位 | 14.30%(ヘルスケア) | 19.21%(不動産) | 17.49%(公益事業) | 19.66%(ヘルスケア) |
3位 | 13.58%(生活必需品) | 14.73%(エネルギー) | 9.77%(エネルギー) | 14.31%(電気通信) |
4位 | 11.12%(テクノロジー) | 12.23%(公益事業) | 8.98%(電気通信) | 13.40%(生活必需品) |
5位 | 9.77%(資本財) | 6.62%(テクノロジー) | 7.99%(生活必需品) | 7.10%(公益事業) |
6位 | 7.56%(公共事業) | 6.09%(電気通信) | 7.71%(一般消費財) | 6.99%(資本財) |
7位 | 7.33%(エネルギー) | 4.84%(生活必需品) | 7.11%(テクノロジー) | 6.77%(テクノロジー) |
8位 | 6.55%(電気通信) | 4.77%(一般消費財) | 4.91%(資本財) | 3.78%(一般消費財) |
9位 | 4.09%(素材) | 4.47%(ヘルスケア) | 3.81%(素材) | 3.02%(金融) |
10位 | 2.96%(一般消費財) | 2.53%(素材) | 1.55%(ヘルスケア) | 0.66%(素材) |
11位 | 0.03%(不動産) | 0%(資本財) | 0%(不動産) | 0.08%(不動産) |
どの銘柄も1位のセクターは20%を超えていますが、全体的にはセクターの分散性が取れていると言えるでしょう。
ただ、SPYDは不動産が含まれていますが、他の銘柄ではほとんど含まれていないなど、高配当ETFでも特長が違うことがわかります。
各セクターには特長があるため、理想的にはセクターを分散させていきたいところです。
例えば、SPYD+HDVなら不動産と金融のバランスが良くなりますが、エネルギーが高くなりがちです。
一方でVYMはエネルギーがそれほど高くないため、SPYD+HDV+VYMと組み合わせるのも良いでしょう。
米国ETFは1つの銘柄でかなり分散できるため、少しの組み合わせで分散性を高められることも魅力です。
さて、VYMは構成銘柄数が多く、セクターの分散も他と比べて比較的分散できていると分かってきました。
そこで、VYMのさらなる魅力を理解するため、以下の3つを見ていきましょう。
- 純資産総額
- 経費率
- 設定日
純資産総額は約3.6兆円、経費率は驚きの0.06%
2021年3月時点のVYM、SPYD、DVY、HDVの純資産総額、経費率、設定日をまとめてみました。
VYM | SPYD | DVY | HDV | |
---|---|---|---|---|
純資産総額 | 約3.6兆円 | 約0.3兆円 | 約1.8兆円 | 約0.6兆円 |
経費率 | 0.06% | 0.07% | 0.39% | 0.08% |
設定日 | 2006年11月10日 | 2015年10月21日 | 2003年11月3日 | 2011年3月29 |
VYMは他の米国高配当株式ETFに比べて、純資産総額は約3.6兆円と多く、経費率も0.06%と低いことが分かります。
また設定日が2006年なので、15年以上運用され続けてきた実績もあります。
経費率も運用期間が長いDVYと比べれば十分安く、バンガード社ならではと言えます。
これだけ信頼される理由は、他のETFとのパフォーマンスの違いから考えることができます。
市場価格は他の米国高配当株式ETFより伸びている
- VYM:+100.93%
- SPYD:+73.03%
- DVY:+64.24%
- HDV:+65.52%
VYM、SPYD、DVY、HDVの市場価格推移を比較すると、VYMが1番伸びていることが分かります。
また、コロナショック前後の2019年11月~2021年3月を拡大したものが以下のグラフです。
- VYM:12.64%
- SPYD:-1.42%
- DVY:9.52%
- HDV:-1.60%
幅広い銘柄に分散投資しているVYMの強さが、市場価格の回復でも発揮されています。
つまり、VYMは高配当と名前が付いていますが、値上がり益(キャピタルゲイン)も期待できる銘柄ということです。
さてVYMのパフォーマンスが分かったところで、次は高配当ETFならでは分配金についてみていきましょう。
VYMの分配金利回りは約3%前後を推移
VYM、SPYD、DVY、HDVの年間分配金、(各年末の市場価格における)分配金利回りをまとめました。

2020年の分配金利回り
- VYM:3.20%
- SPYD:4.99%
- DVY:3.69%
- HDV:4.09%
どの銘柄も、一口あたりの分配金(棒グラフ)はゆっくりと右肩上がりで増えています。
一方で市場価格が上昇していた為、各年度末の分配金利回りはほぼ横ばいです。
SPYDやHDVは暴落率が大きかった反面、分配金自体は大きく減らなかったため分配金利回りが上がっています。
一方で、VYMとDVYは暴落後の株価回復も早かったため、分配器利回りは横ばいとなりました。
高配当株式投資においては、コロナショックのような暴落時にしっかり投資することが重要です。
ちなみに、分配金利回りが頭1つ飛び出しているSPYDはハイ・イールド債(ジャンク債)が多く含まれます。
ハイ・イールド債とは、利回りが高く信用格付が低い債券のことで、ジャンク債などともいわれます。具体的には、格付会社などで信用格付がBB(ダブルビー)以下の評価をされている債券で、信用度が低い分、格付の高い債券より金利が高く設定されています。
(SMBC日興証券「ハイ・イールド債」より)
コロナショックでも暴落後の株価回復が一番遅かったことからも、他の高配当ETFに比べてリスク・利回りが高いと理解できます。
なお、信用格付については、LQD(iシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETF)の記事を参考にしてみてください。

「高配当ETFなら分配金利回りが高いものが良い」とは言えず、リスクに合わせた組み合わせが重要と言えるでしょう。
VYMはどのタイミングで買付するのがおすすめか?
私達の結論として、VYMのおすすめ買付タイミングは毎月の定期買付です
ただ、これはインデックス投資、つまり値上がり益(キャピタルゲイン)を主目的としている場合です。
VYMは構成銘柄数が411と多く、パフォーマンスもコロナショックを考えてもバランスが取れていることが分かります。
一方で分配金の利回りは、税引前約3%と他の高配当ETFに比べて低い水準でした。
つまり、VYMの特徴は以下のようにまとめることができます。
- キャピタルゲインが十分狙える
- 分配金利回りは他の高配当ETFに比べると低い
ただ、インデックス投資に取り組むなら、本来は「高配当ETFであるVYMを買付する必要はない」とも言えます。
インデックス投資はとにかく続けることが難しい

インデックス投資は、指数に連動する商品をコツコツと積み上げ続けていく理論的には最適解と言われている手法です。
ただ、分配金を目的にせず値上がり益(キャピタルゲイン)を最優先に考えるため、資産の増加を実感しにくいです。
分配金が出ない投資信託の場合、資産の増加は証券会社の画面で「評価額+100万円」と確認できるだけです。
しかも暴落が起きると長期間に渡って「評価額がマイナス」という状態が続くことになるでしょう。
それでも、未来の値上がりを期待して積立し続けていくことがインデックス投資なのです。
実際、インデックス投資を続けていく中で、たくさんの人が以下のような手法に変えていきます。
- 高配当株投資
- 個別株投資(バリュー株投資)
運用方針の変更が良い・悪いということではなく、重要なのは「インデックス投資を続けることが目的」という場合です。
そのためにも、分配金のようなキャッシュフロー、つまり資産からの収入が大きな精神的な支えになります。

実際に私達も2019年3月から米国ETF投資をはじめ、年間分配金は2021年2月時点で約7万円を超えました。
そこで私達は、インデックス投資を主軸にするなら、以下の理由からVYMの活用をおすすめしています。
- インデックス投資の銘柄としてキャピタルゲインも狙える
- 分配金利回りもVT(約1%)に比べれば高い
さらに定期買付ならコツコツ継続しやすく、リスク許容度が高くない人でも精神的な負担が少ないです。
なお、私達が米国ETF投資を資産運用の主軸とした理由については、以下の記事を参考にしてみてください。

まとめ:インデックス投資を支える高配当株式ETF
今回は私達が実際に投資している、VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)についてまとめました。
- 米国の高配当約400銘柄に分散投資
- 構成銘柄の割合、セクターには偏りがある
- 純資産総額が約3.6兆円と多く、経費率も0.06%と低い
- パフォーマンスが他の米国高配当株式ETFよりも良い
- 一方で、分配金利回りは税引前約3%と低い
- インデックス投資を支えるのに最適な銘柄
- 買付タイミングは定期買付がおすすめ
インデックス投資をしているのに、どうして米国高配当株式ETFを買付するのか?
その答えは、インデックス投資を続けていきたいからこその選択肢ということです。
分配金はまさに不労所得なので、資産を実感できるVYMへの投資は十分おすすめできます。
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以上、ももたまでした!