- 米国ETF投資を行っている、考えている
- 投資適格社債について知りたい
- LQDを実際に投資している人の体験談を知りたい
こんにちわ、ももたまです。
私達は米国ETFへの長期的な積立投資を毎月コツコツと行っています。
この中で私達は、iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF(LQD)に投資をしています。
今回は私達が実際に投資しているLQDについて、投資適格社債の特徴、LQDの基準価額、分配金の推移、そして私達の買付タイミングをまとめました。
目次
LQDの基本情報
投資適格社債とは何か?
ETFの名称にも入っている投資適格社債とは、『投資が適格とされている社債』のことです。
まず、社債についてみていきましょう。
似たような言葉に、皆さんも聞いたことがある国債があります。国債は簡単に言えば国がお金を借りるために発行するものです。
そして、私達が国債を購入すると、一定の期間(例えば3年)の後に利息をつけて支払った金額が戻ってきます。
社債は発行元が国ではなく一般の企業、例えばトヨタ自動車や任天堂といった会社がお金を借りるために発行するものです。
こちらも同じで、会社が定めた期間の後に利息がついて支払った金額が戻ってきます
社債は会社が発行するということで、会社によって信頼度が大きく変わってきます。
大企業が発行する社債と、町の小さな会社が発行する社債では安心感が全然違いますよね?
そこで、発行されている社債を格付けしている2つの会社(S&P社、ムーディーズ社)が登場します。
2つの会社はそれぞれの基準で社債を格付けしています。

そして、一定のレベル以上のいわゆる信用度の高い社債を『投資適格社債』と呼んでいます。
格付けが高いほど利回りが低く、格付けが低いほど利回りが高いということですね。
では、LQDが実際にどんな会社の社債に投資をしているのか見てみましょう。
LQDが投資している投資適格社債の構成比率は?
LQDが保有している2,094銘柄の内、保有比率の高い発行会社の上位10社をまとめました。
アメリカの会社なので聞いたことが無い会社も多いかもしれませんが、全て超大手ばかりです。
参考まで2019年10月の世界時価総額ランキングの順位も載せてみました。ちなみに、日本のトヨタ自動車が40位です。
発行会社 | 保有比率 | 世界時価総額ランキング 2019年10月 |
---|---|---|
JPMORGAN CHASE & CO | 3.01% | 8位 |
BANK OF AMERICA CORP | 2.98% | 18位 |
AT&T INC | 2.53% | 19位 |
COMCAST CORPORATION | 2.21% | 37位 |
WELLS FARGO & COMPANY | 2.07% | 31位 |
APPLE INC | 2.03% | 1位 |
CITIGROUP INC | 2.02% | 49位 |
MORGAN STANLEY | 2.02% | 圏外 |
GOLDMAN SACHS GROUP INC/THE | 2.02% | 圏外 |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | 1.97% | 25位 |
投資適格社債だからとリスクが無いわけではなく、社債の中でも相対的に低いという認識を持つことが大切です。
逆に国債などと比べれば社債のほうがリスクが高いのは事実です。
また、保有比率をみると一番多いJPMORGAN CHASE & COでも3%程度と広く分散されていることが分かります。
ハイリスク・ハイリターンというよりも、ローリスク・ローリターンを意識したETFということですね。
さて、LQDが投資している先について理解できたところで、次はLQDの規模、経費率を見ていきましょう
ファンド規模は約3.7兆円。経費率も0.15%と少ない
LQDの純資産総額は日本円換算で約3.7兆円(1ドル108円換算)になります。
日本の投資信託の純資産総額ランキング1位である『ピクテグローバルインカム株式F(毎月分配)』で9,000億円。
資産規模が大きいということは、投資家に人気があるだけでなく、運用できる金額も大きくできるので結果として安定した投資が期待できます。
そして、LQDの経費率は0.15%とかなり低いです。
私達が投資しているバンガード社のVT(0.09%)、VYM(0.06%)と比べると高く感じるかもしれません。


例えば日本の投資信託の信託報酬平均は1~2%なので、いかにLQDの0.15%が低いのかがわかります。
単純に100万円を1年間運用した場合の経費、信託報酬がいくらになるのかというと
VYM | LQD | ピクテグローバルインカム株式F(毎月分配) | |
---|---|---|---|
経費率 信託報酬 |
0.06 | 0.15 | 1.81% |
コスト | 600 | 1,500 | 18,100 |
1万円以上も差があることがわかります。
コストは投資が上手くいっても、いかなくても支払うべきものですから低い方が絶対にいいですね。
また、年間でかかるコスト以上の運用上の利益、もしくは分配金がなければ投資をしていても結果として赤字になります。
信託報酬などコストが年間で1%かかる
つまり、100万円を1年運用すると1万円がかかるということ
- 配当が年間5千円あっても、年間5千円のマイナス
- 100万円が101万円になっても、年間でプラマイゼロ
では次にLQDの基準価額、1口あたりの価格の推移をみていきましょう。
基準価額は右肩上がりが続いているが最近は少し急騰
見ての通りLQDの基準価額は2008年の暴落以降はゆっくりと右肩が上がりを続けています。
ただ、2019年に入ってからはこれまで以上に急激に値上がりしていることが分かりますね。
値上がり率は2019年の1年で約15%と、ローリスク・ローリターンの銘柄にも関わらずかなり高いです。
一方、2008年の暴落時は100ドル台から85ドル台までと、こちらも約15%程下落しています。
ただ同じ時期にVT、VYMは約50%ほど下落したことから比べると、暴落もなだらかな印象を受けます。
これこそ、債券の特徴であり、暴落を見越してリスクヘッジで債券の比率を上げようと言われるポイントです。
リスクヘッジ:リスクを想定して、あらかじめリスクに対して対策を講じておくこと。
次はETFの大きな魅力の1つでもある分配金についてみていきましょう。
LQDは毎月分配型で利回りはじりじりと下がっている

LQDは毎月分配金が受け取れるETFですが、分配金の金額と利回りは右肩下がりであることが分かります。
それでも2013年以降は安定して3%以上の利回りを確保しているので、高配当とも呼ばれる理由でもあります。
同じく高配当ETFと呼ばれているVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)と同水準ということからも利回りは悪くありません。
VYMは株式、LQDは債券という点からもリスクが相対的に低いにも関わらず分配金の利回りも良いというのは十分魅力的ですね。
最後に、私達が考えるLQDの買付タイミングについて見てみましょう。
LQDはどんなタイミングで買付するのがおすすめ?
私達がLQDを買付するタイミングは2つの理由がそろった時と考えています。
- 債券の保有割合を増やしたいとき
- 分配金の利回りが高くなったとき
私達は毎月VT、VYMの株式ETFを定期買付しているので、保有資産における株式の割合はどんどん増えていきます。
そして、現在30代でリスク許容度も比較的高い今の段階では、債券の割合は10%で十分と考えています。

もう1つのタイミングは、分配金の利回りが高くなった時です。
2018年は税引前3%の利回りですが、2019年は基準価額も高騰しているので、税金を考慮すると2%台まで割り込んでくる水準です。
LQDは他の債券ETFに比べて分配金も大きな魅力なので、分配金利回りが低いうちはあまり積極的に買付する必要はないと考えています。
まとめ:LQDは債券と分配金の両方の魅力がある
今回は私達も実際に投資しているLQD(シェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF)についてまとめました。
LQDの特徴を簡単にまとめると、
- 投資適格社債に投資
- 社債の発行元は超大手企業
- 資産規模は約3.7兆円
- 経費率は0.15%とかなり安い
- 基準価額は右肩上がり
- 分配金、分配金利回りは右肩下がり
VTやVYMのようにコツコツと積立投資をする銘柄ではありませんが、債券と高配当の魅力を兼ね備えた魅力的な銘柄です。
アセット・アロケーション(資産配分)を考えた時に債券の割合が必要なときには、ぜひ一度検討しても良い銘柄ですね。