- 米国ETF投資を行っている、考えている
- 投資適格社債について知りたい
- LQDを実際に投資している人の体験談を知りたい
こんにちは、ももたまです。
私達は2019年3月から毎月積立の米国ETFのインデックス投資を続けています。

この中で私達は、iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF(LQD)に投資をしています。
ただ、最初は私達も債権の一種でもある社債(しゃさい)について、よく分かっていませんでした。
そこで今回は、社債やLQDの特徴を含めた、以下の6つのことをまとめました。
- 投資適格社債とは何か?
- LQDの実際の投資先を知る
- LQDの純資産総額と経費率
- LQDの市場価格の推移
- LQDの分配金、分配金利回りの推移
- おすすめの買付タイミングとは?
なお、LQDは私達が保有する他の銘柄と違い、毎月分配型の米国ETFです。
保有する口数が少ないため分配金も少額ですが、資産を実感させてくれる頼もしいETFです。
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目次
投資適格社債とは信頼度の高い社債のこと

ETFの名称にも含まれている「投資適格社債」とは、その名の通り投資が適格とされている社債のことです。
社債と似たような言葉で国債(こくさい)なら、みなさんも聞いたことありませんか?
国債は、カンタンに言えば国がお金を借りるために発行しているものです。
私達が国債を購入すると、3年など一定の期間が過ぎると利息をつけて支払った金額が戻ってきます。
そして、社債は発行元が「国」ではなく「会社」というだけで、考え方は同じです。
- 国債→国がお金を借りるために発行するもの
- 社債→会社がお金を借りるために発行するもの
さて、ここで重要なのは「社債」と一言で言っても、リスクにバラツキがあるという事実です。
分かりやすく表現すれば、大企業が発行する社債と、街の小さな会社が発行する社債では安心感が違います。
そこで、社債の信頼度を分かりやすく表現した「格付け」という考え方が出てきました。
発行されている社債を格付けするのは、S&P社、ムーディーズ社という2つの会社です。
どちらも独自の基準で社債を格付けしていますが、イメージは以下の通りです。

「格付け」で一定のレベルを超えたものを、信頼度の高い社債、「投資適格社債」と呼んでいるのです。
ただ、イメージ図の左側にもある通り、利回りは低くなる傾向があります。
BBB(Baa)以上で格付けが高い(投資適格社債)
- 信頼度:高い
- 利回り:低い
BB(Ba)以下で格付けが低い(投機的格付債)
- 信頼度:低い
- 利回り:高い
なお、格付けが低い「投機的格付債」は、ジャンク債、ハイイールド債とも呼ばれ高配当ETFなどに含まれています。
では次に、LQDが実際にどんな会社の社債に投資をしているのか見てみましょう。
LQDの投資している投資適格社債の発行元
2020年8月時点で、LQDが保有している2,320銘柄の内、保有比率の高い発行会社の上位10社をまとめました。
発行元の会社を理解するために、2020年6月の世界時価総額ランキングも載せておきました。
順位 | 発行会社 | 保有比率 | 世界時価総額ランキング (2020年6月) |
---|---|---|---|
1 | BANK OF AMERICA CORP | 3.00% | 31位 |
2 | JPMORGAN CHASE & CO | 2.83% | 17位 |
3 | WELLS FARGO & COMPANY | 2.40% | 91位 |
4 | AT&T INC | 2.26% | 28位 |
5 | COMCAST CORPORATION | 2.23% | 46位 |
6 | CITIGROUP INC | 2.18% | 89位 |
7 | GOLDMAN SACHS GROUP INC/THE | 1.89% | 圏外 |
8 | VERIZON COMMUNICATIONS INC | 1.87% | 26位 |
9 | MORGAN STANLEY | 1.84% | 圏外 |
10 | APPLE INC | 1.68% | 2位 |
ちなみに、日本で時価総額ランキング1位のトヨタ自動車は、世界ランキング32位です。
ですが、投資適格社債はリスクが無いのではなく、社債の中で相対的にリスクが低いという意味です。
国が発行する国債と比べれば、社債の方がリスクが高いことに間違いはありません。
なお保有比率をみると、保有比率1位のBANK OF AMERICA CORPでも3%と広く分散しています。
ハイリスク・ハイリターンより、ローリスク・ローリターンを意識した債権ETFと言えるでしょう。
さて投資適格債、LQDの投資先が分かったところで、次はLQDの総資産総額、経費率を見ていきましょう
純資産総額は約6兆円と多く、経費率は0.14%と低い

LQDの純資産総額を、日本の投資信託における純資産総額1位のファンドと比較してみました。
- LQD:約6兆円
- ピクテグローバルインカム株式F(毎月分配):約1.1兆円
純資産総額が多い=人気があるだけではなく、運用金額も増やした安定した投資が期待できます。
例えば、純資産総額が少ないと繰上償還、つまり投資信託の運用を早期に終了する可能性もあります。
そういう意味でも、純資産総額は重要な指標の1つと言えるでしょう。
続いて経費率ですが、日本の投資信託の平均とも比較してみました。
- LQD:0.14%
- ピクテグローバルインカム株式F(毎月分配):1.81%
- 日本の投資信託の信託報酬平均:1~2%
比較結果を見ると、LQDの経費率0.14%はかなり低いことが分かります。
経費率や信託報酬は、投資をする上での運用コストとも言えます。
そこで、100万円を1年間運用した場合にかかる、運用コストがいくらになるのかをまとめました。
VYM | LQD | ピクテグローバルインカム株式F (毎月分配) | |
---|---|---|---|
経費率 信託報酬 | 0.06% | 0.14% | 1.81% |
運用コスト | 600円 | 1,400円 | 18,100円 |
商品によって、運用コストだけで1万円以上も差があることが分かります。
運用コストは「運用成果に関わらず支払うもの」ですから、もちろん低いほうが嬉しいです。
投資信託に投資していても、実際は運用コストが高く、資産が減っているということも決して少なくありません。

米国ETF投資に限らず、投資をする上では「コスト・経費・手数料」は常に意識していきましょう。
さて次は、純資産総額が多く、経費率も低いLQDの実際の運用実績を見ていきましょう。
LQDの市場価格は「ゆるやか」に上昇している
LQDの市場価格を見ると2008年に大きく暴落し、ゆるやかに右肩上がりを続けてきました。
2019年に入って急騰し、コロナショックで一時的に大きく暴落するも、右肩上がりを継続しています。
2019年1月~2020年8月で市場価格は約20%も上昇しており、ローリスク・ローリターンを感じさせません。
ですが、過去の暴落を見ると決して手放しで投資ができる銘柄ではありません。
リーマンショック | コロナショック | |
---|---|---|
暴落前最高値 | 117.9ドル (2003年6月16日) | 134.27ドル (2020年3月6日) |
暴落後最安値 | 79.57ドル (2008年10月13日) | 105.05ドル (2020年3月19日) |
騰落率 | ▲32.5% | ▲21.7% |
暴落前から 暴落後までの期間 | 1946日 (5年3ヶ月と27日) | 13日 |
暴落後の最高値更新 | 117.98ドル (2012年7月5日) | 134.50ドル (2020年6月30日) |
暴落前から 最高値更新までの期間 | 3,307日 (9年と19日) | 116日 (3ヶ月と24日) |
一般的に債権は、株式よりも暴落の影響が小さいと言われており、過去のデータからも分かります。
またVTやVYMに比べて、市場価格は「右肩上がり」というより、ゆるやかに上昇しています。
経済が成長すれば債権の市場価格も上がりますが、かなり長期的な目線が必要だと感じています。
そういう意味でも、暴落を見越してリスクヘッジとして債権を保有することも大切でしょう。
ただ、傷が「浅くなる」だけなのでインデックス投資を続けるためには、資金管理が何よりも重要であることは変わりません。
市場価格が30%暴落するということは、「1,000万円が700万円になること」です。
そういう意味でも、債権比率を高めれば暴落も大丈夫という考えには、注意が必要でしょう。
さて、次はLQDの大きな魅力の1つでもある分配金について見ていきましょう。
LQDの分配金利回りは3%台を推移している
LQDの年間分配金と、年末の市場価格から計算した分配金利回りをまとめました。

年 | 分配金(ドル) | 分配金利回り |
---|---|---|
2009 | 5.73 | 5.63% |
2010 | 5.28 | 5.07% |
2011 | 4.99 | 4.61% |
2012 | 4.64 | 4.08% |
2013 | 4.38 | 3.62% |
2014 | 4.05 | 3.55% |
2015 | 3.96 | 3.32% |
2016 | 3.91 | 3.43% |
2017 | 3.77 | 3.22% |
2018 | 4.14 | 3.40% |
2019 | 4.21 | 3.29% |
LQDは毎月分配金が受け取れるETFのため、資産からの収入を体感しやすい銘柄と言えるでしょう。
また、2013年以降は安定して3%以上の利回りを実現しているため、高配当ETFにも該当します。
LQDはリスクが相対的に低い債権(社債)にも関わらず、分配金利回りが高いことは魅力です。
では最後に、私達が考えるLQDの買付タイミングについてまとめてみました。
LQDは下落時のタイミング投資がおすすめ
私達がLQDを買付するタイミングは、以下の2つの条件がそろった時です。
- 債券の保有割合が10%を下回った時
- 分配金の利回りが4%を超えた時
毎月の運用実績でも報告しているように、私達はVT、VYMを毎月定期買付しています。
VTとVYMはどちらも投資対象が株式のため、保有資産における株式の割合が増えていきます。
アセットアロケーションについては、以下の記事にまとめたので参考にしてみてください。

私達は現時点で運用金額も多くないことから、債権の割合は10%もあれば十分だと考えています。
さらに、LQDは以下の2つの点からも定期的な買付には向きません。
- 株式に比べて市場価格の上昇が「ゆるやか」
- 分配金利回りは税引前3%台と魅力的な水準ではない
特に分配金利回りは3%台と低くはありませんが、魅力的な水準ではありません。
なぜなら、米国ETFの分配金は、二重課税がされるため税引き後の分配金利回りは7割ほど下がります。
私達は税引前で約4%以上の利回りがないと、高配当の魅力がないと考えています。

実はコロナショックが起きた2020年3月のタイミングは、まさに絶好の買付タイミングでした。
ですが、初めての暴落では「日々の暴落ニュース」ばかりに気をとられ、行動に移すことができませんでした。
あらためてリスク許容度における「投資経験」の重要性を実感したので、次回の暴落時は買付を頑張ります。
まとめ:LQDは債券と高配当の魅力をあわせ持つ
今回は私達が投資しているLQD(シェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF)の特徴をまとめました。
- 信頼度が高い投資適格社債に投資
- 社債の発行元は超大手企業ばかり
- 総資産規模は約6兆円とかなり大きい
- 経費率は0.14%と低い
- 市場価格はゆるやかな右肩上がり
- 暴落時の騰落率は株式に比べて低い
- 分配金、分配金利回りは2013年から横ばい
- 買付は「タイミング投資」がおすすめ
LQDはVT、VYMのように毎月コツコツと積立投資をする銘柄ではありません。
一方で、債権(社債)としての特性、分配金利回りから高配当の特性をあわせ持った銘柄と言えるでしょう。
また、私達が保有する他の銘柄と違い、毎月分配金が受け取れるため、資産を実感できるという魅力もあります。
暴落時など分配金利回りが高くなった時がおすすめの買付タイミングなので、今後の参考にしてください。
私達としては数口だけでも保有しておいて、資産収入を実感することもおすすめです。
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