- 米国ETF投資を考えている
- SBI証券の米国ETF売却手順が知りたい
- 売却にかかる手数料や税金が知りたい
こんにちは、ももたまです。
株式投資の世界では、買付よりも売却の方が難しいと言われていることを知っていますか?
投資している銘柄を売却するということは、利益・損失を確定させる行為です。
ただ、人間は本当に欲深い生き物なのです。
→ 少しでも得をしたいと考える
→ 少しでも損をしたくないと考える
実際、私達も2019年10月に初めて米国ETFを売却しましたが、すぐに行動できませんでした。
そこで今回は、私達の体験談も含めながら、SBI証券における米国ETFの売却に関する4つのことをまとめました。
- SBI証券の米国ETF売却手順
- 米国ETF売却時の「価格」と「決済方法」
- 米国ETF売却時にかかる「手数料」と「税金」
- 売却に向けて今から考えておくべきこと
私達は現在、米国ETFを活用したインデックス投資に取り組んでいます。

インデックス投資では、基本的に買付を続けていくため、売却の機会はほとんどありません。
ですが、言い方を変えれば、インデックス投資では売却の経験を積む機会が少ないとも言えるでしょう。
ぜひ今回の記事をキッカケに、売却について考えるキッカケにしてみてください。
目次
SBI証券で米国ETFを売却するための3つの手順
はじめに、SBI証券において、米国ETFを売却する3つの手順を見ていきましょう。
- 手順1外貨建商品取引サイトへ移動
- 手順2売却ページへ移動上部メニューから「口座管理」をクリックし、保有銘柄一覧を表示する。売却したい銘柄の横にある「売却ボタン」をクリックする。今回は実際に売却したHDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)を例に挙げる。
- 手順3売却に関する情報を入力し完了下記5つの情報を入力・選択して、「取引パスワード」を入力したら売却注文は完了。
- 株数:売却する口数
- 価格:売却する価格
- 期間:売却の注文の有効期限
- 預かり区分:保有している口座
- 決済方法:決済する通貨
最後に入力・選択する5つの情報は、基本的に買付の時と同じため、下記の記事も参考にしてみてください。

ただ、「価格」と「決済方法」の2つは重要なポイントですから、もう少し詳しくみていきましょう。
米国ETFを売却する時の価格と決済方法について
価格は目的に応じて「指値・逆指値・成行」から選ぶ。
米国ETFを売却する時の価格は、以下の3つから選択します。
- 指値
- 逆指値
- 成行
SBI証券では2019年10月より、米国株式取引で逆指値が利用できるようになりました。
3つの選択肢は買付と同じですが、売却における指値・逆指値の考え方に慣れない人も多いでしょう。
そこで、具体的な例を挙げながら、もう少し詳しく解説していきます。
まず指値は、名前の通り「銘柄が指定した市場価格に上昇した場合」に売却します。
画像は、現在100ドルの銘柄が110ドルまで上昇した時に売却する、という指値のイメージ図です。
例えば、「保有している銘柄が10%値上がりした時に売却する」と考えている時に、利用することができます。
一方の逆指値は、「銘柄が指定した市場価格に下落した場合」に売却します。
画像は、現在100ドルの銘柄が90ドルまで下落したら売却する、逆指値のイメージ図です。
例えば、「保有している銘柄が10%値下がりした時に売却する」といったケースが挙げられます。
逆指値は利益を確定させるだけでなく、損切りをするためにも使われることが多いです。
最後の成行(なりゆき)は、「銘柄が売却できるタイミングの市場価格」で売却します。
現在の市場価格から大きく離れることは極めて少ないですが、決まった金額で売却できないことが重要です。
つまり、米国ETFを売却する場合、目的に応じて3つの選択肢から選びましょう。
- 指値…指定した価格まで上昇したら売却する
- 逆指値…指定した価格まで下落したら売却する
- 成行き…売却可能な価格で売却する
私達も2019年10月の売却では、ポートフォリオの整理が目的だったため、価格を意識せずに成行で売却しました。
決済方法は再投資の有無に関わらず外貨決済がおすすめ
まず、「外貨決済で米国ETFを売却した後の再投資」の概要を、イメージ図としてまとめました。

外貨決済であれば、売却して得たお金を外貨(米ドル)で受け取れます。
そのため買付余力が増え、米国ETFや外貨建てMMFを外貨で買付することができます。
一方、円貨決済の場合、円として受け取るために25銭もの為替手数料がかかり、再投資時にも同額の為替手数料がかかります。
また、再投資を行わずに円として利用したい場合でも、外貨決済をおすすめします。
実はSBI証券から住信SBIネット銀行への外貨出金の手数料は無料です。
そして、住信SBIネット銀行なら円とドルの為替手数料が「わずか4銭」です。
つまり、再投資をする場合でも、円として受け取る場合でも、売却時は外貨決済がオススメと言えるでしょう。
さて、米国ETFの売却手順は理解できましたが、合わせて理解しておくべき重要なことが2つあります。
- 手数料
- 税金
米国ETFの売却時にかかる手数料と税金について
まず、米国ETFを売却した時にかかる「手数料」と「税金」を含めた、最終利益までのイメージを図にまとめました。

- 手数料…為替手数料、売却手数料
- 税金…消費税、所得税、住民税
ちなみに、外貨決済の場合は為替手数料が、一般NISAなら所得税・住民税が課税されません。
そこで私達の実例を交えながら、手数料と税金について、もう少し詳しく見ていきましょう。
外貨決済なら売却手数料(約定金額の0.45%)のみ

- 約定金額…178.68ドル
- 国内手数料…0.80ドル (178.68ドル×0.45%)
画像は、私達がHDVを売却した時に電子交付された、実際の「外国株式等 取引報告書」です。
私達はNISA口座での取引でしたが、売却手数料が国内手数料と表記され徴収されていることが分かります。

ちなみに、SBI証券は2019年7月より、最低取引手数料を5ドルから約定金額の0.45%へ値下げしました。
そのため、以前なら売却手数料は5ドルでしたが、今回の取引では「わずか0.8ドル」とかなり安くなったことが分かります。
米国ETF投資に必要な手数料が、今後も少しずつ安くなっていくことは期待したい部分です。
売却益に対する課税内容と分配金の課税との違い
3つの税金(消費税・所得税・住民税)が課税される

米国ETFを売却した時、3つの税金が課税されます。
- 消費税…売却手数料の10%
- 所得税…売却益の15.315%
- 住民税…売却益の5%
消費税は売却手数料の値下がりによって、金額も小さくなってきています。
一方で、所得税と住民税は売却益の約20%と、決して無視できる割合ではありません。

売却益に対しては申告分離課税しか選択できない

米国ETF投資における分配金では、申告分離課税と総合課税から課税方式を選択することができました。
そのため、課税所得が少ない場合は総合課税を活用することで、所得税を節税できます。
ところが、売却益に関しては申告分離課税しか選択ないため、特定口座の場合、所得税と住民税は源泉徴収されます。
「損出し」は損失を確定させることで、今年の利益を小さくする方法ですが、「損失のある銘柄」を保有している前提です。
買付時の価格 | 現在の価格 | 損益 | |
---|---|---|---|
銘柄A | 100万円 | 50万円 | -50万円 |
銘柄B | 100万円 | 150万円 | +50万円 |
銘柄C | 100万円 | 200万円 | +100万円 |
→ 50万円 × 20.315% = 約10万円が源泉徴収
→ 課税額は0円となり、銘柄Aは再度買付すれば良い
どちらにせよ、売却益そのものに対する節税というのは、限られていると言えるでしょう。
税金に関しては売却益だけではなく、分配金や副業など、世帯全体を見た節税対策が重要です。
もし、「税金のことはよく分からなくて…」という人は、まず大河内薫先生の本を読むことから初めてください。
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みなさんも米国ETF投資の分配金や売却をキッカケに、税金について学んでいきましょう。
さて、米国ETFの売却に関する一通りの流れを見てきましたが、最後に私達の学びを1つ紹介します。
売却する基準を明確に持っておくことが重要

冒頭でも触れましたが、売却は「利益・損失を確定させる行為」だからこそ、本当に悩みます。
→ 少しでも得をしたいと考える
→ 少しでも損をしたくないと考える
未来は誰にも分からないからこそ、売却が遅れたことによる影響も、全く分かりません。
言い換えれば、確かに利益が大きく膨らむ可能性も、損失が大きく膨らむ可能性もあるわけです。
だからこそ、あらかじめ売却の基準を持っておくことが重要だと強く感じました。
売却の基準の例
- 想定した市場価格まで値上がりした時
- ポートフォリオを見直した時
- アセットアロケーションを見直した時
- リバランスをする時
売却をした結果として、損失となることもありますが、投資で重要なことは長期的に取り組むことです。

今後の株価に一喜一憂しながら保持し続けることは、投資ではなくギャンブルです。
だらこそ売却の時は、自分で決めた売却基準に沿って、淡々と行うべきでしょう。
頭では理解していても、いざ売却となると欲が出て数日間悩みました。
リスク許容度を決める要素の1つに「投資経験」があることの意味を、売却という観点からも痛感しました。

そういう意味でも、2019年10月の売却経験は私達にとっては大きな経験だったと言えるでしょう。
まとめ:米国ETF投資では売却する経験も重要
今回は、SBI証券における米国ETFの売却に関する4つのことを、私達の体験談も含めながらまとめました。
- SBI証券の米国ETF売却手順
- 米国ETF売却時の「価格」と「決済方法」
- 米国ETF売却時にかかる「手数料」と「税金」
- 売却に向けて今から考えておくべきこと
- 手数料…為替手数料、売却手数料
- 税金…消費税、所得税、住民税
米国ETFの分配金とは違って、売却益は申告分離課税しか選択できないという事実も理解しておきましょう。
また、インデックス投資では定期的な買付が基本のため、売却をする経験が少なくなります。
だからこそ、あらかじめ自分の投資方針と投資目的を明確にし、自分なりの売却の基準を持つことが重要です。
もし、自分の投資目的が不明瞭だと感じているのであれば、私達からは価値観マップの作成をおすすめします。
価値観マップの中で、「投資において毎月いくら積立し、いつまでに、何の目的で行うのか?」を考えることになります。

その結果、20年以上、インデックス投資を続けるだけで良いという人もいるでしょう。
一方で、高配当株投資などで資産収入を増やすために、適宜売買を行う人もいます。
ぜひ、自分の投資方針・投資目的にあった売却基準を考えてみてください。
以上、ももたまでした!